熊 公 鍛 冶 工 房


熊公の工房における鍛冶作業の日誌
特別な事柄は印を付け『鍛冶作業記録』にも書き込みます

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2023年08月24日(木)
 工房着:午前9時35分  作業開始:午前9時50分−作業終了:午後2時30分
 工房の気温:31度

 ロシアでプライベートジェット機が墜落、これにプリゴジン氏が搭乗していた模様・・・。どうも故意に墜落させられた感じです。プーチンに楯突くと命が狙われる・・・。プーチンはこれまでどれだけの人間を殺してきたでしょうか・・・。地獄に真っ逆さまに落とされる人間ですね・・・。
 ウクライナでの戦争だってプーチン一人の野望で起こした戦争、ここでも相当の人間が命を失っているわけで、本当に悲しいことです。破壊し尽くされた町や村の建物を見ると胸が苦しくなります。早く終結して貰いたいものです。でも、それまでにも沢山の血が流されるわけですね・・・。プーチンなら核兵器も使うことになるでしょうかね・・・?

 さて、今日は包丁の仕上げ作業です。まずはキュウリの収獲、雨が降りましたから散水はしなくて済みます。そこですぐに包丁の仕上げ作業に取り掛かりました。
 スコッチブライトで磨いた際に現れた前の番手の傷を800番の砥石から研ぎ直しました。

 研ぎを終えてスコッチブライトでもう一度磨き上げ、グリップの取り付け作業に取り掛かりました。刃の部分はビニールテープで養生して、まずは口金の取り付けです。あらかじめ穿孔してある穴にφ2mmの真鍮棒を差し込み、打ちつぶして固定します。その後グリップにするマイカルタの片側を接着剤を使って固定して、これまたあらかじめ穿孔してある穴をガイドに穴開けします。
 続いて反対側のマイカルタを接着剤で固定して、先ほど開けた穴をガイドに穴開けします。ここにφ5mmの真鍮棒を差し込み、打ちつぶして固定します。あとはベルトサンダーで仕上げていきます。

 ベルトサンダーは600番まで掛けて、そこから紙ヤスリで800番−1000番-1500番と掛けて、スコッチブライトで仕上げます。
 最後にビニールテープを剥がしてブレードにもう一度スコッチブライトを掛けて終了です。

 
仕上がった長男のお嫁さん用の『鍛造ATS-34包丁』 作品No.1648

 やはり『保秀』と刻印した側の傷は完全には消すこと出来ませんでした。残念です。でも、切れ味は抜群ですからこれで良しとします。傷は手作りの味ですね・・・。

 ヤスキ鋼のステンレス鋼材ATS−34は生産中止になっています。手元にあるATS−34は包丁3本分くらいしか残っていません・・・。ATS−34を鍛造して刃物を造る職人は私の知る限りでは二村ピッケルの二村さんだけです。二村さんは廃業されたようですから熊公ただ一人という感じだと思います。

 次男のお嫁さんにも、長男のお嫁さんにもATS−34で包丁を造り送る事が出来てまずは一安心です。この後は割ってしまった物を使ってベティーナイフを造って贈ろうかと思って居ます。

 次は白紙2号を使った包丁作りです。ワイフのお友達に依頼されました。明日はその素材の準備をして、除草作業をしようと思って居ます。とにかくこの時季は雑草との格闘です。伊蔵さんに依頼された物は出来るだけ早めに製作して欲しいと言われているので再来週には着手したいと思って居ます。新型コロナが5類に移行され、伊蔵さんの所に沢山の方が来られているようです。在庫が無くなってしまったようです。急がねば・・・。
2023年08月25日(金)
 工房着:午前9時45分  作業開始:午前10時00分−作業終了:午後0時30分
 工房の気温:32度

 昨日の天気のニュースで東京の真夏日は50日連続で、これまでの連続最高記録40日を更新し続けているということでした。どこまで更新していくのでしょうか・・・。

 今日は法面下の雑草刈り払いを計画して工房へ行きました。まずはキュウリの収獲をしました。シシトウは良い感じに育ってくれています。
 キュウリの株から伸びてきたウリ科の植物の実は随分大きく成って来ました。カボチャでは無いようです。冬瓜でしょうか?
 シソもこのところの雨のおかげで元気を取り戻し始めました。シソを待っている床屋さんに少しですが届けることが出来そうです。

 
    冬瓜・・・?                         また元気になり始めたシソ

 畑の収穫作業の後、次の包丁製作に向けて素材の準備をしました。次の包丁は鋼材は白紙 2号、地金は極軟鉄にするか野間ボルトにするか考えましたが、野間ボルトにすることにしました。


白紙2号と野間ボルト

 素材の準備の後、いよいよ法面下の雑草刈り払い作業です。久し振りに『エンジン草刈り機』を出してエンジンを始動させてみましたがまったく掛かりませんでした。そればかりか、燃料をキャブレターに送るパイプに穴が開いて燃料漏れも起こっていました。蚊取り線香付けて作業しますから、大惨事になりかねません・・・。いよいよこのエンジン草刈り機はお釈迦のようです。次は電動草刈り機にしようと思って居ます。
 今日は仕方ありませんから大鎌を使って刈り払うことにしました。

 
Before             <法面下>             After

 大鎌を振るってバンバン草刈りをしましたが暑いのなんの・・・。時々日陰に入って休んだり、休憩室のクーラーで身体を冷やし給水したりしました。シソがまとまって出ている部分は残すようにして刈り払いましたが、満足いく刈り払いにはなりませんでした・・・。(;^_^A
 刈り払ったものを山にしようとかき集めましたが、暑さに負けて11時45分頃でお終いにしました。その後は散水してやり、12時に休憩室に戻り、身体を冷やしながらお昼を食べて帰路に着くことにしました。

 月曜日は鮎焼きパーティーをするのでお休みにします。火曜日からは包丁の製作です。久し振りに鍛接作業をします。ワクワクします・・・。
2023年08月29日(火)
 工房着:午前9時50分  作業開始:午前10時10分−作業終了:午後1時00分
 工房の気温:31度

 昨日は長男夫婦が遊びに来て『鮎焼きパーティー』+BBQで楽しみました。そして、包丁の贈呈式をしました。早速BBQで焼いた鶏もも肉を切り分けて貰いました。

    
美味しそうに焼ける鮎                    鮎とビールを楽しみながらBBQ

 鮎を食べたいと言ったのは長男夫婦、鮎を食べにどこかへ行こうと考えていたようですが、我が家には『鮎焼き器』が有ることを伝えたところ、それじゃと鮎を宅配して貰い、それでもって焼く事にしました。この『鮎焼き器』は御世話になっている(廃業されたからなっていた・・・)町工場の社長さんが造ってくれました。8匹焼く事が出来ますが、しっぽの方が少々混雑します・・・。全部で18匹焼いて、鮎焼きの後は鶏もも肉と豚のスペアリブ、椎茸を焼きました。鮎焼き終わった後はビール飲みながらBBQにして、焼き終わったところで部屋に入り、熊公はシャワーを浴びて2回戦目、クーラーの効いた部屋でビール・ワインを飲みながら焼いたものを食べました。
 久し振りに『鮎焼き器』を使いました。塩味もバッチリで本当に美味しかったです。お嫁さんは贈った包丁を使い良い切れ味を喜んでくれました。「この包丁を使い込みます・・・」 と笑顔でした。(^-^)v

 エンジン草刈り機が壊れてしまいましたから、電動草刈り機を導入しました。2分割出来、コンパクトになるものを選びました。マキタの『MUX18DRGM』です。先側の部分を交換することで8通りくらいの使い方が出来るものです。5万円程、少々痛かったです・・・。今日はそれを工房へ持っていきました。そして、実際に使って見る事にしました。

    
マキタ 『MUX18DRGM』

 2つに分割出来るのは持ち運びが楽だし、片付けも楽で良いです。リョウビのものより高めでしたが2分割出来ることでマキタのものを選びました。
 前回法面下の雑草は大鎌で刈り払っただけでしたから雑草除去は不充分でした。そこで実際に使ってみようと考えました。ところが様子を見に行くと法面下の雑草は綺麗になっていました・・・。


綺麗になっていた法面下

 上尾市が刈り払ってくれたのでしょうか・・・。上尾市の除草は法面下2m先の境界線で刈り払いを止めて、熊公側2m(写真左端の雑草の山部分)からこちら側は刈り払ってくれないのが普通でした。時折、鍛冶仲間の『埼玉の村の鍛冶屋』さんが刈り払ってくれるときがありましたが、刈り払った雑草をここまで綺麗にはしないから、ヤッパリ上尾市がやってくれたものと思います。
 そこで法面部分と付属農園の東西の畑、『畑の師匠』に借りている畑の雑草を刈り払うことにしました。

 
<西の畑>
 
<東の畑>
 
Before        <師匠にお借りしている畑>        After

 三角鎌で除草するよりはるかに楽でした。土の部分も削る感じで使っていきましたが雑草が気になったらすぐに使えて良い感じです。作物の近くでは使えませんが、気軽に使えそうです。

 フル充電にして高回転フルパワーで30分くらい使えました。上の写真3箇所プラス法面部分の除草をしましたが、丁度良い感じです。バッテリーもう1つ有ればまったく問題ないと思います。エンジンを掛けるための苦労も無いし、静かですからこれは使えます。使いきったあとフル充電するのに45分くらいでした。

 今日もメチャクチャ暑くて、時々給水しながら除草作業をしましたが、作業着はグショグショ、作業着が含んだ汗が布から垂れてくるくらいの汗でした。熱中症危険度が『危険』でもあったので、最後に散水してやり、12時過ぎまでで作業終了にしました。今日は早く帰路に着くことにしました。明日はワイフのお友達から依頼を受けた包丁の鍛造をします。
2023年08月30日(水)
 工房着:午前9時40分  作業開始:午前10時00分−作業終了:午後1時25分
 工房の気温:31度

 今日も猛烈な暑さ、今日も熱中症危険度は『危険』でした。今日はいよいよワイフの友達に依頼された包丁の鍛造作業です。その方は『ステンレス』ではなく、鋼を鍛接する『打ち刃物』の包丁がお望みです。ですから今日は久し振りの鍛接作業です。

 まずは収穫作業から、キュウリは今日収穫するにはチョット小さめだったので久し振りに収穫しませんでした。シソが随分大きくなってくれたので床屋さん用に収穫、また、シシトウも収穫しました。
 収穫作業の後は散水作業、タップリ散水するのは時間が掛かります。散水後は液肥を撒いてやりました。時刻は10時45分になっていました。少し休憩して、11時から鍛造作業に取り掛かりました。まずは素材作りからです。素材を打ち延ばす間に火床の暖機運転です・・・。

 
これまで作ってきた文化包丁のアルミ型              今回鍛造する包丁のイメージ   

 今回の包丁は下の2つの型をミックスして中子式にします。一番下は長男のお嫁さんに造った包丁の型(5寸)その上は次男のお嫁さんに造った包丁の型(6寸)です。これをミックスすると右の感じの包丁になる予定です。中子式にして、柄の口が『水牛の角』で出来ている包丁柄を使うつもりでいます。

 地金は『野間ボルト』、鋼はヤスキ鋼の『白紙2号』で、三枚打ちで鍛造します。

 
    準備出来た包丁の素材                   仮付けに向けての加熱の様子
 
     仮付けした状態                      鍛接温度にゆっくりと持っていく

 厚みがありますから仮付けの際は上側の地金の温度低めです。仮付けしたら側面に鍛接材を掛けてやり、鍛接温度(1050度)にゆっくりと加熱していきます。きちんと仮付けされていればひっくり返しても剥がれることはありませんから、コークスの中で時々上下左右をひっくり返しながら鍛接温度に持っていきます。

 鍛接温度まで上がったところで重ねた手前側の中央部分を少しずつ先に向けてスピディーに打ち(少しずつ・スピーディーとは矛盾しているような言い方ですが、少しずつという表現は鎚の打面が連続して行くようにと言うことです)、続いて左右を同様に打っていきます。この際に『ノロ』を外に絞り出す気持ち(イメージ)が重要です。
 重ねた状態で打つと厚みがあるので上面が広くなり素材の断面は台形のようになりますから、同じ側だけを打つのは禁物です。そして、コバ側を打つ際は最初は優しく打って鍛接面を剥がさないように気を付けます。
 確り鍛着出来たところで、打ち延ばし、打ち広げて行きます。

 
            鍛接終了                   打ち広げ 馴らし打ちを終え 焼き鈍しを掛ける直前

 今回はブレード面に鎚目が残る感じにしようと考えて居ます。どんな風になるか・・・。徐々に温度を下げながら馴らし打ちをして、焼き鈍しを掛ける際に歪みを出来るだけ取っておきます。焼き鈍しは藁灰の中で行います。今日の作業はここまで、焼き鈍しを掛けたらスプリングハンマーに注油して片付け、身体を冷やしました。
 11時から鍛造を始め、ハンマーへの注油が終わったのが12時45分でした。素材作りから1時間45分でした。

 明日は冷間鍛造して鎚目を綺麗に揃えてやり、成型作業です。焼き入れまで行くと良いですが、暑さに負けてしまうかも知れないです。鍛接不良が現れないと良いですが・・・。一応加熱の際にムラが出るようなことはありませんでした。

 1時間45分の作業中に三回給水しました。工房で2L、帰宅してからすぐに1Lの水を飲みました。作業室の気温は46度くらいでした。こんな温度の中で作業するなんて、本当に好きじゃ無いと出来ないですね・・・。

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