日本協会の解説

 第4の審判員が競技会規定に基づいて任命される場合、3名の審判員(主審、副審)のいずれかがその職務の続行が不可能になったときに、その職務を務める事になっている。第4の審判員にはその他、主審を援助するための様々な任務が与えられていて、その援助の内容は各項目に具体的に示されている。
 1999年までの競技規則には、第4の審判員の項目の8番目に『第4の審判員は、常に主審を援助する』と記載されていたが、2000年の改正では、項目7となってその文章の続きに、警告や退場の際の主審による競技者の間違い、2つ目の警告を与えても退場させないとき、そして競技者による乱暴な行為があったときに限って主審に援助ができる内容がつき加えられた。
 しかし、『第4の審判員は、常に主審を援助する』の文章が項目7のはじめにあることで、その他の警告や退場となる不正行為に対してまで援助ができると拡大解釈されている。そこで、『第4の審判員は、常に主審を援助する』の文章を項目1に移すことによって、項目7の主審への具体的な援助の内容が明確になるようにした。
 なお、2002年まで「第4の審判員は、すべての時間にわたって主審を援助する」としていたが、破線部の表現をより適切にするために、本年より『常に』と置き換えた。
 日本協会の解説

 競技者のジャージ、ショーツ、ストッキングや靴につける広告の制限に関する国際評議会の決定事項の決定1・項目1が削除された。この項目は、2002年に新しく加えられた文章であったが、各国協会、各国クラブ連盟からの強い要請に基づき、国際評議会が再検討した結果、広告の制限についてはそれぞれの大会規定で定めることとした。
 日本協会では、同年より「Jリーグクラブの国内競技会において、ショーツに広告をつけることを認める。」こととし、競技規則だ4条の下段にその旨(注)下記で記載していたが、今回、項目1の削除により(注)以下の文章を削除することとした。



              2003年競技規則の改正について

ライン


         国際サッカー評議会の第117回年次総会が2003年3月15日に北アイルランドのベルファースト
         で開催された。総会において決定された競技規則の改正、様々な指示、指令は以下の通りである。

         1.競技規則の改正および国際評議会の決定

          第4条 競技者の用具

          国際評議会の決定事項

          決定1
          ・競技者は、スローガンや広告のついているアンダーシャツを見せてはならない。スローガンや広告
           を見せるためにジャージを脱いだ競技者は、大会の組織責任者によって罰せられる。
          ・ジャージは、袖がなければならない。

           評議会は、広告は競技者のジャージにのみ評されるとした項目の削除に合意した。



            
                                                                                     






           第4の審判員

           新しい文章:
           
           項目1
           第4の審判員は、競技会規定に基づいて任命され、3名の審判員のいずれかがその職務の
           続行が不可能になった場合にその職務を行う。
           第4の審判員は、常に主審を援助する。

           項目7
           第4の審判員は、主審が競技者を間違えて別の競技者を警告したときや2つ目の警告を与えた
           にもかかわらずその競技者を退場させないとき、あるいは主審、副審の見えないところで乱暴な
           行為が起きたとき、主審に合図しなければならない。しかしながら、主審は、プレーに関する全
           てのことを決定する権限を持つ。

           理由:
           項目7に“第4の審判員は、常に主審を援助する”と記述することによって、この項目に含まれて
           いない不正行為にも関与することができると推測されてしまう。第4の審判員の役割が警告とな
           る反則を知らせることまで拡大することを求めたり、望んでいるものではない。明快さと解釈上の
           理由から、この文章を第1項目に入れることでより適切な表現となる。
           







           
                                                                                     








           試合の勝者を決定する方法
           ペナルティーマークからのキック

           新しい文章:

           主審がコインをトスし、トスに勝った主将のチームが先に蹴るか後に蹴るかを決める。

           理由:
           トスに勝ったチームが、先にキックしなければならないというのではなく、公平な選択をさせ
           ることでトスに負けたチームより有利である、という感覚を持たせることができる。

           主審、副審および第4の審判員への追加指示

           新しい文章:

           ペナルティーキック

           ボールが蹴られる前に、競技者がペナルティーエリアに侵入することは違反である。また、
           ボールが蹴られる前に、ゴールキーパーがゴールラインから前方に出ることも違反である。
           主審、副審は、競技者がこの競技規則に違反した場合、確実に適切な対処をしなければ
           ならない。

           理由:
           第14条は1997年に改正され、ペナルティーキックが行われる前にペナルティーエリアに
           侵入した競技者を警告する必要がなくなった。
           また、この改正で、ゴールキーパーはゴールライン場を動くことが可能になった。しかし、近
           年ペナルティーキックの際に違反が多く見られるのにもかかわらず、主審がほとんどそれに
           対処していない。

          2.通知、指示および指令

           国際評議会の規約

           評議会は、年に2回会議を開催する。年次総会は合意により2月か3月に、年次事務会議
           は合意により9月か10月に開催する。

           一時的退場

           評議会は、一時的退場はどのレベルのサッカーであっても認められないという前回の決定
           を再度確認した。

           人工芝

           評議会は、人工芝の技術的向上と機構上の問題がある地域において有効性が高いことを
           認識した。さらに、人工芝は都市部における施設の高頻度で長時間の使用を可能とさせる
           ことも認めている。評議会はFIFAに対して、品質を統一化や世界的に使用できるようにする
           ため、可能な限り、最良の知見や手段を用い、人工芝の使用に関する明確な手続きを策定
           することについての権限を委任した。

           競技規則の改正は2003年7月1日から効力を発し、指令については即時効力を発し実行
           する。

           
                                                      国際サッカー連盟
                                                           事務局長
                                                 ジャローム・シャンパーニュ




                                                                  ライン