人工透析
HD透析の人工腎臓
左の筒がダイアライザー(糸球体の代わり)です。 赤が動脈側、青が静脈側、半透明のパイプが透析液。 右がコントローラーで体温が下がらぬようにしたりします。
糖尿病透析患者さんに出現しやすい合併症 透析患者さんはすでに色々な合併症を持っています、 これに糖尿病の3大合併症が加わるのです。 | |||
視力障害 | 糖尿病性網膜症、白内障 | ||
脳血管障害 | 脳出血、脳梗塞 | ||
心・循環障害 | 虚血性心疾患(心筋梗塞)、心不全、不整脈、起立性低血圧 | ||
呼吸器感染症 | 肺炎、結核 | ||
胃腸障害 | 下痢、便秘 | ||
排尿障害 | インポテンツ(勃起不全) | ||
閉塞性動脈硬化症 | 歩行時下肢痛(こむら返り) | ||
末梢神経障害 | 知覚障害、しびれ | ||
糖尿病性壊疽 | 特に足の傷や火傷が化膿し壊死へ進行する危険性あり | ||
糖尿病の3大合併症 1)糖尿病性網膜症 網膜はく離、眼底出血などで失明の危険性あり 2)糖尿病性神経障害 手、足先のしびれ、感覚麻痺、壊疽の危険性あり 3)糖尿病性腎症 |
人工透析 内容は患者さん向けではありません、ある医療関係者から「糖尿病をあまく見ている方に対して・・・」 のお言葉とアドバイスによるものです。 ある病院の透析医師の言葉 人工透析療法を導入された患者さんの人生を野球で例えるならば「2アウト満塁と同じなのです」と、 ピッチャーは患者さん自信 守備は医療スタッフと家族なのですね。 逆転さよならホームランを打たれたら・・・ 最新、日本透析医学会の調査 2001年末の、透析患者総数は219,183人で、2001年に透析をはじめた患者数は33,243人 で、死亡者数は19,850人です。透析患者は毎年1万人ずつ増加しつづけている調査結果です。 10年以上透析を続けている患者は50,345人、65歳以上の患者は40%を超え、高齢化社会はここに も反映されています。介護を必要とする患者、長期入院を必要とする患者、重複障害に苦しむ患者が増えつつ あります。2000年4月から介護保険制度がスタートしましたが、週2、3回透析のため通院介助、透析医療 両方可能な介護施設などこの制度では実現はされてはいません。 長期透析による合併症は、骨関節障害、貧血、腎臓は血液の生産にも深く関わっているのです。骨も脆くなり 人工骨を必要とします、例としては歩いていただけで骨折し人工骨に頼った方もいます。 「警告」近年では 糖尿病を原疾患とする患者が急増し、透析導入患者の1位になっています。 透析(人工腎臓)とは? 1.尿毒素(老廃物)を取り除く。 2.余分な水分(尿となるべき)を取り除く。 3.電解質(イオン)を整える。不足分は透析液から補給できる。 4.血液pH(酸性かアルカリ性か)の調整(透析液で)をする。 5.除水量の計算 増えた分(ml)+負荷除水量(ml)=今日の除水量(ml)÷透析時間=除水率 6.透析療法の負担金 現在は1ヶ月「1万円」で食費は別です。 いつ透析をはじめるのか??(糖尿病性腎症の場合) 糖尿病性腎症の場合は早めに透析療法を導入する傾向にあります。 慢性腎不全と言うのは血清クレアチニン濃度が2mg/dl以上の状態が持続した場合を言います。 これは腎機能が30%〜10%程度に低下し10%ではすでに尿毒症が現れ始めます。 ●糖尿病の場合 1.合併症が多い。 2.むくみ 溢水症状が生じやすい。 3.糖尿病性網膜症が悪化しやすい。 4.胃腸障害 起立性低血圧を生じやすい。 5.血清クレアチニンが低めを示すことが多い。 この様な状態で糖尿病性腎症以外の患者さんと違い検査結果の値があまり悪くなくても透析を 開始する必要があるとの事です。心機能低下 動脈硬化の程度によりシャントの作成が困難な時 は腹膜透析(CAPD)を選択されるそうです。 以下透析方法 CAPD以外は週3回通院し、通常1回4〜5時間の透析時間です。 HD・・・・・血液透析>ろ過と水分除去。小さな物質除去にすぐれるが β2MGなどの大きな物質を 除去(ダイアライザーの進歩により改善可)しにくい欠点あり。 HF・・・・・血液ろ過>ろ過のみで蓄積物質を体外に出せる。HDの欠点を無くした方式ですが 治療時間が長い欠点があります。 HDF・・・・血液透析ろ過>HD、HFを同時に行う治療法です。 CAPD・・・腹膜透析>カテーテルを腹筋に固定します。通常在宅治療が行われお腹の半透明膜(腹膜) を透析膜として利用します。1日4〜6回腹膜内の透析液を交換します。 体内に水分が多くたまるとどうなるか? むくみ、血圧上昇、咳が出る、寝ると息苦しい、など。 β2MGとは?(β2ミクログロブリンはアミロイドタンパク質) 正常値は0.8〜1.8mg/dlですが透析患者さんは正常値〜50mg/dl前後に達します。 腎臓で壊される蛋白質の1つで健康な人は尿として排泄されますが透析患者さんは体内の間接などに 沈着して痛みを伴ったり色々な症状を引き起こす透析患者さん特有の疾患「透析アミロイドーシス」を 発生しやすくなります。「沈着しやすい部分、腱・骨・関節」予防は運動(体を動かす)や薬物療法で 非ステロイド系抗炎剤や副腎皮質ステロイド剤(胃腸障害の副作用あり)などで進行を抑えます。 内シャント(ブラッドアクセス) 最も広く用いられています。通常は、腕の「橈骨動脈」と「橈側皮静脈」とを皮下でつなぎ会わせて作る。 利点:閉塞、感染の危険少ない、長期間使用可能。 |