魚が泳いでいました。
水面に反射した光を吸収して、
鱗は虹色に輝いていました。
とてもとてもキレイな魚
けれどとてもとても小さな魚。
私の手は大きくて手のひらにのせられそう。
そのまま握り潰してしまえば
あなたはもういない存在。
それが哀しい行為だとわかっていました。
自分の欲を満たすだけ
あとから押し寄せる焦燥感、
感情はどこまで留めればよいのでしょう。
 
あなたは泳いでいる。
何も知らない顔をして
あなたはそっと微笑んで、
私に掬われるのを待っている
 
あなたはとてもキレイ。