小さな童謡
 
 
 
其処にあるのは
銀の皿
大きな窓
立て掛けられた額
剥き出しの鰐の油絵
小鳥の死骸
 
大きな窓から入った小鳥
額に納まった絵に留まるよ
風が吹けばカタカタと
鳴き声のように額が鳴る
何時の間にか外れた金の額
絵の中にいる大きな鰐
小鳥は驚いて逃げるよ
部屋の中を幾周も
やがて疲れて倒れた先は
家の主人の大事な銀の皿
 
後に残るは何もなく
ただ物語るだけ
何があったかは誰も聞かない
ただ
想像を物語るだけ