笑顔を見ていた時も
私に世界をおしえてくれる時も
寄り添って眠った日も
一緒にいた時間だけはすべてだった
あなたはすべてで私を愛してくれたから
私も当然のようにあなたを愛していた
あなたはずっと私の傍にいてくれると思っていた
考えたことはなかったけれど
あなたが私のすべてだった
 
人が消える時は何も考えられなくて
温もりがなくなった時に消失に気付く
長かった旅は今終わって
新しい命は始まりを告げるのに
私をまもってくれるあなたはいなくて
行き場のない心はまだ私の中で燻っている
どうしてあの時言えなかったんだろう
どうしてもっと傍にいられなかったんだろう
あなたの言葉は誰かに託されて
でもそれは私ではなかった
 
あなたの傍にいきたかった
それでもどこかで私を見ていてくれると思ったから
私はこんなになるまで生きてきた
あなたが残した火はこんなにも
こんなにも、多く灯されているのに
あなたは少ない言葉だけを
もっと一緒にいられれば
私はもうあなたの愛してくれた私ではなくて
それでもあなたにとっては私のままで
あなたは私の愛したあなたのままで
忘却という恐怖を抱えている
 
あなたの最期の言葉おぼえているから
私も強く生きていくよ
あなたは私を愛してくれたから
私もこれから誰かを愛せるように
でも
私の欲しかった最期の言葉は、
私のものではないのに