うまれた。
育つだけ育った椰子の木も足下に苔をはやして
力強い大きな手にまもられたい
キミはどこから歩いてきたの?
目元に手をやれば、キミが歩いてきたほうから影がのびる
眩しいだけの日差しの下で
白く輝いた波だけがいきていた
 
手が届くことはない。
求めることは恥ずかしいこと、でも
真っ直ぐにのばされた腕はなんて綺麗なんだろう
その手は宙を掴むことしかできないと知っても
愛おしいと神の寵愛を受けた。
降り注ぐのは光
遮るものはワタシという名の暗い影
太陽は今頂点に
影は手をのばすことができない
届けばいいと思っていたけど、
届かないとも思っていたけど、
届いたところでキミは何処に行くのか?
連れていくことはできないから
連れられることはあり得ないから
それだけが指針となっていたから、
このままを望んでいたんだ。
 
何処へ?
聞こえなかった歌が聞こえた
今ここで感情をぶつけたい
其処にキミはいない
抑えられなくなったのに其処にいない
キミをまもりたい
キミを愛したい
キミがどこからきた人でもいい
本当は、
手をのばしたいのはワタシだったのに
 
キミは太陽となった。