水葬
鏡は磨かれていました
テーブルは光に反射していました
林檎は真っ赤に熟していました
あなたは静かに横たわっていました
とても素敵な星空の下
美しいあなたが青白く輝いていました
凍えそうな身体だったから毛皮をかけました
白く眩い特注のユニコーンの毛皮
わたしはこのために全部の宝石を売りました
毛皮を纏ったあなたはひどく幸せそうに
あたたかいと微笑みました
あなたの眠るベッドを用意しました
水の中で眠れるようにと真珠のベッド
わたしはすべての土地を手放しました
真珠に埋もれて眠るあなたは穏やかに
心地よい安らぎと呼吸をしました
あなたを飾る花が必要でした
あなたの肌と同じ色の蒼い薔薇
わたしは最後のお金を払いました
薔薇を髪飾りにしたあなたは美しく
満足そうに笑いかけてくれました
あなたのために何ができるでしょう
何かしたくてももうわたしには何もありません
愛しいあなたを幸せにすることはできません
これ程にも近くで見守れるのに
これ以上寒くても捧げる毛皮はありません
あなただけに何かしたいのに
神様が見ていると知っていました
わたしは禁忌を犯しました
あなたを好きになった時からわたしを見ていた悪魔
わたしは自らの魂と引き替えに
あなたを永遠にわたしのものにと願いました
優しい微笑みをわたしだけのものにと
愛するあなたに手をかけました
最期にわたしは眠るあなたに服をかけ
風が吹いても寒くないようにと
美しいあなたをいつでも見れるようにと
ガラスの棺を買いました
あなたはいつまでも美しく
もう他の誰のものにもならないのなら
棺の横で眠りにつきます
体内の腐食を感じながら
いつまでもあなたの隣りに