双子
雲の隙間から見えた地上
とても綺麗だったけれど
自分には似合わないから降りない
隣りには焦がれているキミが
眼下に見える場所を見ようともしないで
必死になって空を泳いでる
バランスを崩せば
キミなんか真っ逆様に堕ちて
なにもかも消えてしまうんだよ
心はひとつ
身体はふたつ
キミは半身
「堕ちるときは一緒」
幸せなんかじゃない
意志がなければ意味のないことなのに
身体がなければ触れられない
地上には降りたくない
けれどキミと生きたい
もうここにはいられない
手をとって
地上は赤く燃えていて
間近にキミの顔
キミは笑って
笑って
目を閉じた。