誕生
ぼくのために泣いてくれたね
泣き止まないぼくのために
一緒になって泣いてくれたね
人は子供だと言ったけれど、
そんな優しさがあってもいいよ
繋がっていたとしても
人は深くで分かち合うことはなくて
思いも考えも独り善がりの勘違いで
気持ちも感情も本当は別々で
ただ分かって欲しいと、
必死に伝えながら生きてた
血とか身体とか
性別とか年齢とか
そんな小さなことはどうでもよくて
分かりたいと
気持ちを知りたいと
ねえ、
あの時どうして泣いてくれたの?
「なんとなく分かるよ」
曖昧な表現で癒されはしないけど
それでもなんとなく心安らぐのは
その言葉を信じたいと思うから
なんとなく泣いたのは
伝わらないもどかしい思い
遣り場のない切なさ
「分かって」
なんて言えない
押しつけたくはない
けど分かって
世界でたったひとり君にだけは知って欲しいんだ
ねえ分かって
ぼくを知って
人はそこから始まるのだから
だから泣いて
ぼくを思って。