羊水
真っ白な蝶が飛んだ。
ぼくはまだぐずぐずと
通らない穴を抜け出している。
ねえ、痛い?
ねえ、どうしたらいい。
ここはとても寒いよ、
きつくて、息が苦しくて、
早く抜け出したくて。
やがて降ってくる言葉は優しくて
そぼまま立ち止まってしまいたいぐらいに。
開かない目。
強烈な光だけを感じて。
早く、
ぼくを望むきみにあいたい。