水面下冷たい水の中
僕たちはひんやりした魚
真上に昇る太陽を眺めて
未だ見れぬ地上に焦がれる
時々浮かぶ瀕死の蟻
最期の瞬間まで土を求めるから
 
昼時は水草の陰で休んで
今日は温かいと話してる
夕方には皆蠢いて
小さな生命噛んでいる
何時かは自分たちの番と
繰り返す営み感じてる
 
僕は鱗をつけた魚
水の中でしか生きられなくて
涙を流しても気付いてもらえなくて
それでも生きたいと願ってる
地上への憧憬捨てられないで
 
僕は土を求めてみるよ
あの太陽の下へ出てみるよ
思う程嫌なとこじゃないだろうから
水での生活なんて忘れて
地上で笑って涙を流すよ
だから
誰かの手に縋って
 
地上に出れて幸せ
少しの生命でもよかった
ぼくの体温はかわって
最期はぼく魚じゃなかった