螺旋階段
 
 
朱い蝶々を飼いました
静止したままのおりこうな蝶々
差し出す薔薇にも目をくれない
気高い私の蝶々を
 
やがて羽は艶を失い
それでもじっと耐えている
何に?
毎日替えるあなたへの花
ただひたすらに時が過ぎるのを待っている
ああ、あなたに会いたい。
 
だからね
空を飛べるモノの自由は奪えないんだよ
例え飛べなくしたところで
自分のモノにはならないのだから
絶えるのを待つのは螺旋階段のようだね
 
虫籠ではあんまりだから
鳥籠に入れた蝶々は
蒼い空を目掛けて羽ばたきました
鎖のような檻の中
自らの羽を引き千切り
その顔は
笑っていたのでしょうか
 
あなたに会いたい
ただ、あなたに会いたい
ただ、それだけのことなのにね。