銀世界、暗い表情が浮かんだ
キミは小さな蝶々。
片手だけで握り潰してしまえる弱い存在
逆らうこともできないけれど
ただ懸命に生きてきただけ。
 
大人の群れには交じれない
子供の群れにも交じれない
どこにいけばいいのか、
どこにいればいいのか
居場所がほしかったのか。
存在理由がほしかったのか。
教えてもらえないから
傷ついた羽で探していた
 
理由なんて簡単なのに
たった一言、名前を呼んでもらえれば
今日だって生きてゆける。
だから言って、
名前を、
たくさん言って。
名前のない蝶は名前を探した。
誰かに拾われる前に
キミが名前を見つけないと
 
雨に濡れた
雫と共に鱗粉も剥がれ落ちて
持てるものすべてなくしたけれど、
ずっと羽ばたいていたよ。
あそこまでいきたいから
高度が落ちても藻掻き続けた
 
まだ飛べるから
飛べるから。