迷子
新しい帽子が飛ばされて
赤いひらひら目印にして追いかけてた
けれどここには障害がいっぱいで
人にぶつかっては見失いそうになってた
真上ばかり見てる私が人の邪魔で
ぶつかる人は露骨に嫌そうな顔をする
私の身長はまだ低くて
ぶつかる人はとても大きくて
けれど誰も帽子を追いかけてはくれない
あなたはこんなに寂しい街にいるから
蒸し暑いはずなのに寒いから
屋上から私を見つけてくれなかったんだね
探すよと言った言葉はもう前のことで
いつ来るかもしれない私はただの迷子
でも寒さに震えていたのはこの人達のほう
私は帽子を追って右往左往で
あやまりながらあなた目指してた
同じ場所にはいないとわかってたけど
追いかけずにはいられなかったの
お願いだからあなたが見つけて
私の帽子をあなたに拾ってほしい
今もきっと一番高いとこで探しているでしょうから
あそこのビルから見ているでしょうから