月蝕
 
 
 
太陽は隠れて
月もまだ出てこなくて
大きな漆黒が空を支配して
キミは家から出れなくて
ボクは、
手探りで闇に紛れた
キミはいない
キミは来ない
月は、
まだ出てこない
 
誰もいない世界に
ボクはただひとりで
左手の感触を何度も確かめる
繋がれない
キミはいない
月が、雲に隠れるのが見えた
このまま
どうかキミの家まで
光を届けて。
 
真ん中に空いた穴
キミのいないボクみたい
もう、
行かないと
月は、
少しずつ闇を照らした