出会い
 
 
 
白い世界は闇の中
ぽつんと浮かびあがっては消える
それは霧雨の中の汽笛
物悲しげに
亡霊は啼くよ
キミがほしい
キミだけほしい
あなたが欲しい
振動だけが微かに震えた
そんな、
世界の終焉に
 
叫べば波打つ体温
上昇するだけの単純な器官
けれどこんなにも
これだけ欲になるのはあなただけ
あなたの体温を
あなたの言葉を
すべて飲み込んでしまえたなら
幸せとは程遠い、
その狭い世界よ
 
白は黒には勝てないけれど
一瞬は濁すことができるから
歩こうか
すべて消えてしまう前に
話そうよ
今までのこともこれからのことも
キミがほしいと
そう思えるから
待てるよ
隣にいてくれるのなら。