団子虫
 
 
 
踏み潰した
何もかも
ひとつひとつ
余さず残さず
手に入らないと知った時から
諦めに似た感情を持て余したんだ
土を這う惨めな蟲よ
僕が永遠の自由を与えよう
想像ひとつで空も飛べるのに
ひとは哀しいね
その想像が邪魔をする
その蟲は僕自身
石の影から石の影へと
団子虫の大群が移動した
 
ソレにも、
人と同じように名前が付けられているのか
考えると笑えた
此処は狭い世界だ
外に出るのが怖くて
狭くしているのは自分なのに
過去を否定することは
未来を肯定すること
だから踏み潰していくんだ
ひとつひとつ
余さずに
残さずに