キャロル
 
 
 
星を象った赤い折り紙
緑の輪っかをたくさん作ったら
暖かい暖炉のそばでお話を始めよう
灯った薪を消えないうちに、風の吹かない部屋で
 
クリスマスは過ぎたね
道に落ちた色とりどりの電球が寂しげに
また来年がくるのを待ってる
来年が、くればいいと
同じ場所で灯せるように
箱詰めにされながらも願っているよ
白い綿も
天辺に飾った大きな星も
泣いてねだった大きなツリーも
また来年、
逢えますように。
 
サンタの帽子を被った子供
ひとり置き去りにされて
どうしていいのかわからずに泣いてしまう
もう過ぎたことだと、
大人に言われてもわからないよ
あんなに楽しい時間が
どうしてずっと続けられないの
泣いてしまうのに、帽子を脱ぐことはできない
わかっているはずなのに、
季節とか、時代とか、時期だとか、
決められたことだからなんて理由は嫌いだよ。
 
靴下に入っていた夢は
1年もすれば消えてしまう細い炎
来年になればまた新しいものが増えていって
今年もらった手袋の温もりも忘れてしまう
めぐる時を止めることはできないよ
だけどね、
見かけたら思い出すことはできるから
その暖かさを、
描いた気持ちを、
小さな灯りで。
いつまでも灯して。
 
また来年、
ばいばい。