小西六 総会屋に150万円(当時の新聞記録より)

総会乗り切り依頼

幹部3人に逮捕状

 福岡県警捜査四課と博多署は写真機材の大手メーカー「小西六写真工業」(本社東京都新宿区、井手恵生社長)が株主総会対策として総会屋グループに現金を渡していた事実をつかみ、商法第497条違反(利益供与)の疑いで同社の元総会屋対策担当者(62)ら幹部3人と総会屋2人の逮捕状を容易、19日朝にも強制捜査に着手する。同県警は同社が他の複数の総会屋にも現金を渡したり、今回の総会屋が他の大手企業からも同様に多額の現金を受け取っていたことをつかんでおり、改正商法施行以来最大規模の総会屋事件摘発となりそうだ。
 調べでは、同社の総務関係の幹部3人は昨年夏の定期株主総会を乗り切るため、有力総会屋集団「木谷グループ」の代表である千葉県船橋市夏見5の23、鈴木悠三(40)と、同グループ幹部の東京都足立区西新井1、安海植(41)=いずれも恐喝未遂罪で福岡地裁で公判中=に現金150万円を渡した疑い。鈴木らが「株主総会をわれわれが取り仕切ってやる」と持ち掛け、同社が依頼する形で現金を渡していた。
 同グループは58年に発足し、構成員6人。関東の暴力団をバックに活動範囲を全国に広げ「木谷(鈴木の変名)グループ」として大手企業総務担当者の間で恐れられていた。昨年7月、4件目の改正商法事件として愛知県警が摘発した「ノリタケ事件」の総会屋「森田グループ」の代表も「木谷グループ」の元メンバーだった。

小西六写真工業の岩佐英弐(警察庁出身)総務部長の話
 捜査当局が調べていることを否定しないが、捜査結果の黒白もはっきりしていない段階でのコメントはできない。


TOP