総会屋に4〜500万(当時の新聞記録より)

「小西六」部長ら今日聴取

 福岡県警捜査四課と博多署は、光学機械の大手メーカー、小西六写真工業(本社・東京都新宿区、井手恵生社長)が株主総会乗り切りのため総会屋に現金を渡していたとの疑いを強め、19日、元同社幹部ら三人に任意出頭を求め、商法違反(利益供与)の容疑で事情を聞き、容疑が固まれば逮捕、総会屋二人も再逮捕する。
 調べによると、昨年6月下旬に開かれた株主総会をめぐって、東京都内の総会屋「木谷グループ」代表鈴木悠三被告(40)(千葉県船橋市夏見5丁目、恐喝未遂罪で起訴拘置中)ら二人が賛助金を要求、当時の同社総務部長、経理部長らが現金4〜500万円を渡した疑い。
 木谷グループは関東の広域暴力団と深いかかわりがあり、57年秋の商法改正前から広範に活動し、昨年から九州にも進出していた。
 北九州市の東証一部上場企業にもゆすりをかけて失敗し、昨年9月末、鈴木被告ら二人が福岡県警に逮捕された。
 捜査当局は、グループの九州での賛助金取得はほとんど不成功に終わったとみているが、関東では少額ながらも賛助金を出した企業が数社あることをつかんでいる。
 一方、18日までの捜査で、小西六写真工業が他の総会屋にも同様の利益供与をした疑いを示すメモが見つかっており、資金ねん出や上層部の関与についても解明を急ぐ。 


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