「小西六」幹部逮捕へ(当時の新聞記録より)
総会屋へ数百万渡す
サクラカラーなどで知られる大手写真機材メーカー「小西六写真工業」(本社東京、井手恵生社長)が株主総会を平穏に乗り切るため、広域暴力団系列の総会屋グループに現金数百万円を渡していたことがわかり、福岡県警捜査四課と博多署は19日午前、同社元総務部長(61)ら3人に任意出頭を求めた。商法第497条(利益供与)違反の疑いで事情聴取し、容疑が固まれば逮捕する。
また、既に別の企業への恐喝未遂事件で逮捕、起訴された総会屋2人も再逮捕する。
総会屋は福岡県警が昨年9月末、別の一部上場企業に対する恐喝未遂で摘発した千葉県船橋市夏見5−23−11、「木谷(もくたに)グループ」代表、鈴木悠三(40)ら2人。
調べでは、鈴木らは小西六が昨年6月開催した株主総会前に、同社の総務部長らに「株主総会をうまく運営してやる」と持ち掛け、現金を受け取った疑い。
鈴木らは、北九州市に本社のある一部上場企業の総務部長を昨年6月初旬「株主総会をトラブルなく終わらせたかったら金を払え」と脅した疑いで逮捕され福岡地裁で公判中。
福岡県警は鈴木らの追求で、小西六から株主総会に絡み金を受け取っていたことを突き止めた。
57年10月の商法改正で、総会屋などの株主に企業側が現金などを贈った場合、企業の担当者にも刑罰が科せられるようになった。改正後「伊勢丹」「そごう」などの企業が同法違反で摘発されている。
木谷グループは、広域暴力団住吉連合会内沼沢会を背景にした大物総会屋グループで、構成員6人。
小西六
サクラカラーで知られるフィルムのほか、カメラや写真用品、複写機などの大手メーカー。