プロトコルという言葉  (続き)
IT用語辞典によれば「プロトコル」という用語は、通信手順、通信規約などと呼ばれ、 ネットワークを介してコンピュータ同士が通信を行う上で、相互に決められた約束事の意です。 英語しか話せない人と日本語しか話せない人とでは会話ができないように、プロトコルが異なると通信することができません。 私たちが、グローバルにインターネットを利用したり、電子メールを利用したりできるのは、世界標準のプロトコルが定められているからです。
ところで、国際マナーの分野でも、プロトコール(ここではコールと伸ばすほうが正当)という言葉がよく出てきます。 実は、IT分野のプロトコルは、この国際マナーにおけるプロトコールからきているのです。
グローバル社会の中で生きていかなければならない私たちにとって、プロトコル(プロトコール)は是非知っておくべき言葉だと思います。

以下は、プロトコールについての国際マナー講師 堺 真理子先生のコメントです。
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国際マナー講師 堺 真理子先生
国際マナー講師 堺 真理子先生
「プロトコル」という言葉は、一言でいうと世界共通のマナーです。世界会議などで、それぞれ習慣や宗教、民族などの異なる人々が 一同に集うとき、席次や挨拶の仕方で問題がないように、世界共通のルールが定められたのです。
ルーツはヨーロッパの王侯貴族のマナーですが、一番有力な説は、もっと古くイタリアのメディチ家が発祥だといわれています。 1533年イタリア、メディチ家のカトリーヌ姫が、フランスのアンリ2世(後のフランソワーズ一世)に嫁いで、テーブルマナーを確立しました。 彼女の功績なくして、フランスの美食文化はなかったでしょう。
明治維新以降、イギリスに留学した皇族方や要人によってプロトコールが日本に伝えられました。 私達が何気なく、使っている応接室のソファーが一人用肘掛け椅子より格上なのは、ヨーロッパの王侯貴族文化の名残です。 貴婦人の広がったドレスに対応できるのはソファーでしょう。 だから、現代でも座り心地が悪いソファーの方が格上なのです。 座り心地の良い一人用の肘掛椅子より格上な理由、ご理解いただけましたか?
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