あけましておめでとうございます。

暗いニュースが多い世の中ですが、子ども達とともに未来に希望を持ち、大きな夢を持って今年もがんばりたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いします。

初瀬基樹

予防接種を受ける前に!!

 数年前、うちの娘たちが熱を出し、ちょうど園の方でも小児科探しをしている時だったので、いろいろな小児科を訪ねてみました。その中のある小児科を受診したときのことです。うちの娘を診察した医師は、私達が娘達にあまり予防接種を受けさせていないことに対し、そのときの娘の病状についてはほとんど触れずに、予防接種のことだけを「親の責任を果たしていない」とか、「そういう親がみんなに迷惑をかける」だとか、あれやこれやと、まるで「予防接種を受けていなければ人間じゃない」みたいなニュアンスで頭ごなしに説教されたことがありました。私達は以前から、予防接種に関して少々疑問を感じている部分もあったので、(正直、迷っている部分もあって)本当に必要だと思うものしか娘たちに受けさせていませんでした。しかし、そのときは、あまりにも頭ごなしに言われたことに対して、ものすごい腹立たしさと、勉強不足で、きっちりと言い返せない自分をとても情けなく思ったものです。

 そもそも予防接種は、以前は「義務接種」(必ず接種しなければいけないもの)でしたが、今では「債務接種」(接種するように努める)になっています。これには、20年間にわたって各地で争われてきた「予防接種被害」のすべての集団訴訟で国が全面敗訴したことや、現在行なわれている予防接種の多くが必要性、有効性、安全性の面において疑わしいことが知られてきたという背景があります。「義務接種」から「債務接種」に替わったことは、同時に予防接種が「国の責任」から「親の責任」に替わったことでもあります。
 
 誤解されるといけませんので、あらかじめ断っておきますが、私は予防接種に対して「賛成」、「反対」を述べるつもりはありません。医師の中にも「賛成派」と「反対派」がいるのですから、私のようなものがとやかくいうことは到底できません。ただ、医者から勧められるままに、あるいは、いろんな宣伝、広告をそのままうのみにして予防接種を受けさせるのではなく、ある程度、自分で下調べをした上で、「予防接種を受けるか否か、受けるとしたら何を、いつ、どのように受けるか」について真剣に考えて、各家庭で保護者の責任において判断することが大事だと言うことをお伝えしたいのです。現実に、厚生労働省が出しているパンフレットや様々な宣伝、広告には表れていないマイナスのデータも数多く存在しています。乳児のときに受けたインフルエンザ予防接種がもとで、立つことも、歩くことも、しゃべることすらできない重度心身障害児となり、それ以来30年以上苦しんでおられるご家庭もあります。もちろん、予防接種すべてがマイナスであるとは断言できませんし、有効なワクチンが存在するのも確かでしょう。ですから、その判断を下すのは、とても難しいことですが、やはり保護者である親がしっかりと勉強し、各自の責任において判断しなければならないことだと思います。

 1992年厚木市で開催された市民集会「子どものためのワクチントーク神奈川」で講演した小児科医の毛利子来(もうりたねき)さんは子どもと病気の関係を次のようにまとめられたそうです。


T.子どもにとって病気とは

 (1)いやなものではあるけれど、避けられない。

 (2)子どもは病気をしながら育ちあう。

  @  先天免疫から後天(獲得)免疫へ。

  A  抵抗力がつく。鍛えられる。

  B  病気への対応の仕方で人格が鍛えられ、精神面が豊かになる。

U.大人のすべきこと。
 (1) 病気をすべてなくそうとはしない。

 (2) 病気をなるべく避けさせない。

 (3)  医者にはぎりぎりまでかからせない。

  @   丈夫になる⇒自力で治すから。

  A   知恵がつく⇒体験で、対処の仕方を覚える。

V.今は病気よりも環境汚染のほうがずっと問題。

また、1975年に東京の予防接種集団訴訟・原告団の法定証言のために来日されたロンドン大学医学部大学院教授のディック博士は特別講演でこう話されたそうです。


「強い子どもは病気にかかったほうがよい。病気にかかると重症化しやすい弱い子どもは、注意しながら予防接種を受けるのが良い。イギリスでは、予防接種をする日には、地域の病院はベッドを空けて待機している」

 イギリスとは対照的に、日本では病気にかかると重症化しやすい弱い子は「接種要注意者」という位置付けにされて、予防接種が受けたくても受けられなかったり、接種は受けさせてもらえても、充分な配慮はしてもらえなかったり、といったことも多々あるようです。しかし、本当はそうした弱い人たちを守るためにこそ、予防接種が必要で、危険を伴う分、慎重な姿勢、充分な配慮が必要なはずなのです。

 これからの時期は特にインフルエンザの予防接種が話題になりますが、インフルエンザの予防接種についても本当に賛否両論です。

 こうしたことを書くと、余計に悩ませてしまうかもしれないと思いましたが、何も知らないで副作用が出てしまったとか、ちょっと注意しておけば防げたかもしれないということは「起きてしまってからでは遅い」のです。といって、反対に「予防接種を受けておけばよかった」ということも充分有り得る訳ですから、やはり充分な情報を得た上でそれぞれがご判断頂いた方が良いと思い、敢えて書くことに致しました。

※さらに詳しくお知りになりたい方は以下の文献を参照なさってください。

<どちらかといえば反対派>

◇藤井俊介 『まちがいだらけの予防接種』 さいろ社

◇毛利子来・山田 真(編集代表)『ちいさい・おおきい・よわい・つよいbR5 予防接種はなぜ安心といえるの?』 ジャパンマシニスト

◇ワクチントーク全国、予防接種制度検討市民委員会 『厚生省「予防接種と子どもの健康」攻略本〜テーマ 予防接種 「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」ブックレット(1)』

<どちらかといえば賛成派(?)>
◇ポール・A・オフィット&ルイス・M・ベル 『予防接種は安全か』日本評論社

◇その他 厚生労働省や各病院等のポスター、などなど










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