リフレーミング
初瀬基樹
「リフレーミング」とは、「物の見方や考え方を変えること。今までとは異なった角度、視点から物を見てみること」という意味なのだそうです。
先日の新聞に「この十年間で心の悩みを訴えて保健室を訪れる子どもが小中高とも大幅に増えて、保健室利用者の40%以上を占めている」という記事が載っていました。確かに最近、あちこちで、うつのような症状が出ている人の話題や、精神的に病んでいる人の話をよく耳にするようになりましたが、うつは大人だけに特有なものではなく、子どもや、赤ちゃんにでも起こる可能性があるのだそうです。なかには「仮面うつ病」なんていうのもあるそうで、うつ病特有の精神的な症状は現れないのに、頭痛や腰痛、食欲不振など、体だけに症状が現れることもあるのだとか。
大人だけでなく、子どもたちにとっても、ストレスの多い、住みにくい社会になってきてしまったのですね。
実をいうと、私自身も時々、自分はうつ病なんじゃないかと思うほど、落ち込んで悩んでしまうこともありますし、一般の人から見れば、「明らかに強迫神経症だ」と言われそうなくらい、「戸締りはちゃんとしたか」とか、「火はちゃんと消したか」など、寝る前や出かける前に、何度も何度も自分で確認しないと気が済まないという一面を持っています。しかし、私自身はそのことをあまり問題視していませんし、それで、自分が安心して出かけられる(寝られる)のだから、と気の済むまで確認しています。妻も「ちゃんと確認してくれるから便利」ぐらいに思ってくれているので、日常生活にもまったく不都合はありません。これが、もし、周りから、「あなた、ちょっと異常よ」とか言われていたら、きっと自分でも気になりだして、本当に病気だと思い込んでしまうのかもしれませんが・・・。
今の世の中は、子どもも大人も忙しすぎて、心に余裕がなくなり、いつもイライラしていて、周りに対して攻撃的になっている。だから、心の優しい人、相手の気持ちを考える人ほど、心が病んでいってしまう。そんな気がします。
では、いったい、どうしたらよいのでしょうか? 私は、もっと、大人がど〜んと構えて、余裕を持つことが必要なんじゃないかなと思います。
よく「子どもを育てるには、子どもを肯定的に見るとよい。」と言われますが、まさにその通りだと思います。子どもに限らずですが、相手の欠点ほど見つけやすいものです。しかし、その欠点をいくら指摘しても、欠点が無くなるどころか、相手との関係が悪化し、悪循環を招いて、余計に状況が悪化することの方が多いのではないでしょうか。
そんなとき、こんな表(保育士研修会で手に入れた資料から抜粋しています。)を参考に、ちょっと考え方を変えてみたらいかがでしょう?
短所
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⇔
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長所
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気が短い、せっかち
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⇔
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頭の回転がはやい
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(考え方が)自己中心的
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⇔
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自分というものを大切にしている
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先のことを考えない
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⇔
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今を大事に生きている
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優柔不断
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⇔
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物事をいろいろ慎重に考えている
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物を片付けない
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⇔
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自由に生活している
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気が小さい
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⇔
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繊細
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集中力が無い
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⇔
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いつも何か新しいことを考えてる
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頑固
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⇔
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意思が強い、芯が強い
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大ざっぱ
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⇔
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楽天的、融通がきく
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のんき
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⇔
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おおらか
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落ち着きがない
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⇔
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環境に敏感である
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おくびょうもの
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⇔
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慎重な行動が出来る
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時間にルーズ
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⇔
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マイペース、せこせこしていない
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不真面目
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⇔
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型にはまるのが嫌い
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話が多すぎる
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⇔
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社交的
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飽きやすい
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⇔
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好奇心旺盛
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だらしない
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⇔
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物事を気にせず立ち向かえる
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怒りっぽい
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⇔
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ストレスがたまらない
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どうです? 私は、なるほど!そう考えればいいのかと妙に納得したのですが。
要は、「短所」を「長所」として捉えてやればいいのです。「短所を直そうとするよりも、長所を伸ばしてやることで、自然と短所が目立たなくなるもの」なのかもしれません。
このように、社会のみんなが、「何事もリフレーミングして考える癖」をつければ、余裕が生まれてイライラも減り、少しずつ世の中が変わっていくと思うのですが、いかがでしょうか。
さっそく私も、散らかし放題の我が家の娘たちに「おまえたちは本当に自由に生活しているなあ!」と笑って言えるようにがんばってみよう・・・。
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