来年度の保育について3(アンケートにお答えして)

河内からたち保育園

 さまざまな思いを正直にぶつけて下さって、本当にありがとうございます。

 一枚の紙に込められたおうちの方々の思い一つひとつに、私たちも、これまでの保育を振り返りながら、もう一度、「何を大切にしなければいけないのか」を再確認することができます。これから少しずつでも、お互いの思いを理解し合って、お互いにとって、そして何より「子どもたちにとって大事にすべきこと」を一緒に考えていければいいなと思います。

 正直なところ、今の私たちには、どうすることが本当に良いことなのか、わからなくなってきています。
 
 結論から言えば、「来年度からのクラス編成については、いったん白紙に戻して考え直すことも可能」です。


 「どうせ決まったんだから・・・」「保護者の思いを無視して・・・」ではなく、具体的にどういうクラス編成にすることが望ましいのか、今回のこのアンケートへの回答も参考にして頂きながら、おうちにいらっしゃる、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんとも一緒に、もう一度お考え頂ければと思います。

 その上で、きちんとした「話し合いの場」を持ちたいと思います。金曜日の「からたち総会」でお時間を頂いて、来年度のクラス編成をどうするのか、その場で決めることは難しいかもしれませんが、まずは話し合いをさせて頂きたいと思います。ぜひとも、ご参加ください。

~ からたち総会のご案内 ~
3月17日(金)
夜7時~7時30分 役員会
夜7時30分~ からたち会総会


 「来年度の保育について」
 「からたち役員改選」
 その他

 
※ 職員も話し合いに参加したいと思いますし、話し合いが長引くことも予想されますので、可能なかぎり、お子さんはおうちで、どなたかにお預けになってご参加頂けたらと思います。(どうしても無理なご家庭については、こちらで保育いたしますが)



 今回のアンケートで頂いたご意見に対して、一つひとつに、今の私たちの思いを述べさせて頂きます。(□で囲った中が、今回のアンケートで頂いたおうちの方々のご意見です。そのまま掲載しているものと、多少省略させて頂き、文の意味だけが伝わるようにしたものがあります。あらかじめご了承ください。)

 かなりの長文になってしまい、申し訳ありませんが、今度のからたち会総会で、これらのこと全部をお話できるかわかりませんので、できれば事前に目を通しておいて頂けると助かります。

(順不同です。

クラス編成についてはもう決定事項でしょうから、保育園の方針を支持しますが、このような大きな問題というのは、事前に保護者に対してアンケートをとるなどして、意見交換をしてもよかったのではないでしょうか?そのほうがより深く理解を求めることが出来ると思います。

(同様に)

来年度から縦割り保育を行うならもう少し早くからお便りを出して欲しかった。

 ぎりぎりになってしまったのは、新規入園の申し込み、継続申請の締め切りがこの時期なので、来年度の園児数がはっきりしないとクラス編成が考えられなかったためです。来年度、新規入園希望が、たったの1名ということは、私たちも予想できませんでした。(それも3月に入るぎりぎりまで入園希望者0名という状態でした。)

 また、地域的に、このような園児減少が続くなかで、職員間でもどうしていくことが望ましいのかを話し合っておりました。保護者の方々のご意見を伺うにしても、単純に「これからどうしましょう?」では、あまりにも無責任だと思い、叩き台となるような「具体案」として出さなければならないと考えたためです。そのため3月はじめのお便りで「園としてはこうしたい」という案を出させて頂きました。4月になって、いきなり「決定事項として発表」では、あまりにも唐突過ぎるし、それこそ、保護者の方々に事前の相談も、説明もないまま進めることになってしまうので、それではいけないと考えたからです。

 ですから、もしも、他に良い案があれば、または、「どうしても今回のクラス編成の仕方が納得できない」という意見のほうが多いのであれば、今からでも変更は可能です。

 ただし、今、保育園の置かれている状況は、かなり厳しいということをご理解ください。

今年度も4,5歳は合同保育だったが、はたして年長の保護者は納得していたのか?

 事前の説明が不十分だったとしたら、大変申し訳ありません。今年度のクラス編成を考える際にも、とても悩みました。国の定めた配置基準により、保育園の運営費が決まりますので、子どもの数が少なくなれば、その分、園に来るお金も減ります。

 実際には、とても複雑な計算になるので、とてもご説明できないのですが、単純に言えば、定められた基準以上の保育士を配置するだけのお金はもらえていないのです。ただ、今年度に関しては、障害を持ったお子さんもいらっしゃいましたし、やはり4歳児、5歳児それぞれの年齢別の活動を行うことも必要だと考えていたので、保育士の資格を持ち、以前ここで正職員として働いていた奈津美さんにお願いして、4,5歳児クラス担任を補佐するために「非常勤」という立場で入ってもらいました。

 現行の保育制度では、これが限界なのです。しかし、ここ数年、その最低限の基準や制度でさえ緩和され、無茶苦茶になりつつあります。むしろ、これを機会に国に対して、保育の質改善の声をあげて頂きたいと思います。おうちの方々同様、私たちもしっかりとした保育、一人ひとりをじっくり見つめることのできる保育がしたいのです。しかし、国は「子どもの育ち」よりも、「利用する親にとって都合の良い保育園」にしていこうとしています。「経費を抑えて、最大限の効果を」という「市場の原理」を保育(福祉)の世界に持ち込もうとしているのです。「保育所運営費の一般財源化」など、これまでも、園便りなどでお知らせしてきましたが、「地方によって、子どもにかけるお金を自由に設定してよい」ことにしようとしています。すでに、その一部は実施され、公立などは、それによってどんどん民営化されています。お金のある自治体ならば、子どもにお金をかけるでしょうが、お金の無い自治体、とくに私たちの熊本市が子どものために使うお金を増やすということは、今の時点ではとても考えにくいです。むしろ、どんどん削減されていく一方でしょう。

 また、利用する「親の就労を支援する」ことが目的で「保育園の開園時間は11時間が原則」となりました。「時間延長保育」は、さらに長い時間保育園を開けて行なっているものなのです。わが園においても、朝7時30分から夜7時まで開園しておりますように、今は、最低でも1日11時間以上、保育園を開けていなければなりません。しかし、一方では、労働基準監督署からの指導で「職員の労働時間は週40時間まで」と定められています。ごく単純に言えば、1日8時間で5日間ということになりますが、保育園は1日11時間開けており、土曜日も開けているため、早番、遅番、週休、半休・・・などパズルのようなシフトを組んで、それでも足りないところを非常勤の方に補ってもらわなくてはならない状況なのです。土曜日など、「ご都合がつくのであれば」と、家庭保育をお願いしているのもそのためです。ところで、国は、毎日毎日、長時間、保育園に預けられる子どもたちのことを真剣に考えているのでしょうか?社会全体のシステムが、何かおかしい方向へ向かっている気がしてなりません。

 また、その他の補助金についても、年々削減されてきております。それにともなって、これまで、「非常勤職員は正職員の2割まで」とされていたものが、今では「2割まで」という枠さえ取り払われてしまいました。国からすれば、保育所運営費のほとんどが人件費なので「保育園で削れるお金は人件費だけ」というわけです。ですから、その人件費を削るために「正職員でなくても、非常勤でいい」という制度にしてしまったのだと思います。実際に、ひどいところでは「園長、主任以外は、ほとんど全員が非常勤保育士」という園もあると聞きます。「非常勤」では身分も保障されませんし(月や年契約で賃金も安い)働く時間も短くなるため、研修も充分に出来ません。それこそ、ただの託児所になってしまう可能性だってあります。

 さらに、非常勤であれば、園に残すための記録、ましてや「クラス担任」など責任のある仕事は、本来、任せられないと思うのですが、国はそういうところまで考えているとは思えません。これでは、「日によって」、あるいは「時間帯によって」、子どもにかかわる大人(担任)が代わってしまうということだって充分ありえるのです。「信頼できる大人との安定したかかわり」が必要な子どもたちにとって、そんなことが当たり前になったら、子どもたちは、いったいどうなってしまうのでしょうか。少なくとも私たちは、そこまで質を落とした保育は絶対にしたくないのです。しかし、実際には制度に逆らって余分な人を雇えるだけのお金が保育園には無いのです。

 各種の保育団体でも、いろんな運動を展開したりして、こうした保育制度の改悪を阻止しようとがんばっているところですが、一番響くのはやはり、利用する保護者の声です。こうした声が届きにくいのは、保護者の方々も、「子どもが卒園してしまえば関係ないこと」になるから、現状に我慢してしまっているという部分もあるのではないでしょうか。これからの子どもたちのためにも、ぜひ行政に対して、声をあげて頂きたく思います。

異年齢保育は、今でも充分行われていると思います。別に縦割り保育をしなくてもいいと思います。
子どもの数に対して保育士の数というのではなく、子どもの一人ひとりのことを考えてクラス編成をして欲しい。

 「縦割り保育」には、「縦割り保育の良さ」があり、それも大切だと考えています。しかし、今回のことで、もっとも考えなくてはならなかったのは、3,4,5歳児に対して保育士が2名しか配置できない計算になることです。その中で、「どうやったら子ども一人ひとりをじっくり見てかかわっていけるのか」を考えたのです。しかも、これは「来年度だけ」の問題ではなく、2,3年先を見ただけでも、園児数が激減することが目に見えている中で、「どうやったら今後も継続して、安定したクラス運営ができるのか、落ち着いた保育ができるのか」を、職員全員であれこれ考えた上で、子どもたちにとっても一番いいだろうと出した案だったのです。「子どもの数に対して保育士の数ではなく、一人ひとりのことを考えて・・・」というのは、もちろん私たちもそうしたいのです。しかし、今の日本の保育制度が、このような仕組みのため、どうしようもないことなのです。

 ですから、むしろ、こうした厳しい状況を逆手にとって、「異年齢保育の良さを最大限に生かした良い保育ができないものか」と考えたのです。保育の世界では、「これからは異年齢保育の時代」ということが叫ばれています。すでに全国のあちこちの園で実施され、さまざまな実践が積み重ねられています。わが園のように、運営していく上での厳しい条件から、こうした異年齢保育に取り組み始めた園もありますが、同年齢クラス編成が充分できるにもかかわらず、異年齢保育の大切さを認識して、あえて異年齢保育に取り組んでいる園も数多くあります。優れた実践を残している園も本当にたくさんあり、その一つが、熊本市のひまわり保育園なのです。そうした優れた実践に学びながらより良い保育が目指していけたらという思いなのです。

ひばり、めだか、つくしの年齢ごとの担当がいるなら、縦割りをしなくてもいいのでは?

 本来なら、来年度3,4,5歳児に保育士2名しか配置できない分のお金しかありません。しかし、来年度に限っては「移行の年」でもあり、「少しでも、子どもも大人も、安定して過ごせるように」との配慮から、これまで園で積み立ててきた「人件費積立金」というのを取り崩して、1人多く保育士をつけようと考えたのです。(1人多く保育士をつけ、それぞれのクラスに非常勤を配置すると、計算上では、来年度一年間で700万ほどの赤字になります。もちろん、すべてが人件費ではありませんが、)ですから、毎年毎年1人多く保育士を置くというわけにはいかないのです。

 もしも、来年度、縦割りにせずに「年齢別クラス編成」でするとなると、来年度はその人件費積立金には手をつけずに、先延ばしになる異年齢クラスへの移行の際に使わなくてはならなくなります。(そのためには、だれか1人正職員を退職させて非常勤にし、現在の非常勤の方にも辞めて頂き、本来定められた配置基準通りにしなければ、赤字を消すことはできません。)そうなれば、必然的に4,5歳児混合クラスに保育士1名、3歳児クラスに保育士1名という2クラス編成になります。


縦割り保育を行うなら一番大変なのは保育士だと思います。今までのような行動では不安です。

 申し訳ありません。保育で至らない点が多いのは、明らかに私たちの力不足です。しかし、それをカバーするべく、他園と比較して頂いても、決して恥じることの無いぐらいに質の向上のための努力をしています。具体的には、毎月2回、保育を終えてからの夕方から夜にかけて、職員会議や園内研修を行い、保育の質の向上に努めています。子どもたちが昼寝をしている間にも、ミーティングを行なって、子どもの様子を伝え合ったりしています。年間で言えば、年度末にはいつも保護者の方々には、ご迷惑をおかけしておりますが、非常勤職員も含めた全体研修を行っております。これらは、すべて園内独自の研修であり、これ以外に、他園も参加するような外部の研修が行われているのです。「そうは言っても、ちっとも良い保育が出来ていないじゃないか」と言われるのであれば、それは私たちの力不足です。今後ますますがんばります。

 また、「縦割りにしたら保育が大変」とは限りません。むしろ、3歳児を例にとるなら、それまで子ども6人に対して1人の保育士があたってきたわけですが、進級したら、突然20人に保育士1人になってしまいます。まだまだ大人を求める3歳児にとっては、少しでも子どもの数が少ないほうが、大人にかかわってもらえる時間が増えるのではないでしょうか?また、かかわってくれるお世話好きのお兄ちゃん、お姉ちゃんもいます。そう考えると、単純な年齢別より、むしろ縦割りのほうが、子どもにとっても安心感が生まれ、保育する側にとっても一人ひとりの子どもに目が行き届くのではないかと思います。

年長と年少は話の読解力の差があります。理解するにも年少は時間がかかります。お集まりのときもその年齢にあった話をして欲しいし、集中できる時間もまったく違います。歌も年齢にあった歌を歌って欲しいです。絵本の読み聞かせ、紙芝居の内容も年齢にあったものをと考えると、年少の子どもたちは1クラスがいいのではと思います。

 もちろん、その通りだと思います。ですから、必要なときは、年齢別にわけて集まりのときを持ったり、活動したりすることも必要だと感じています。

 ご指摘の「絵本」に関しては、集まりの際などに、みんなの前で読むことももちろんありますが、「基本は、1対1で、もしくは少人数で読むもの」だと思っていますので、これまで同様、少人数で、その子その子に合った絵本を読んであげたいと思います。 

 また、「紙芝居」に関しては、紙芝居を読む際には、だいたい2本から3本読むようにしておりますが、1本目は、子どもを引き付ける導入のために、小さい子や理解の弱い子でも楽しめるような「面白く、簡単な内容のもの」を読み、2本目には「ドラマ性があるもので、あまり重くないもの、リズム感のあるもの」などを読み、そして、最後の3本目には少し難しいものでも、「心に響く内容のもの、何かを伝えたいというような作品」を選ぶという原則みたいなものがあります。歌などについてもそうですが、ご家庭で兄弟に別々の歌を教えるというより、いろんな歌を歌っていくなかで、「兄弟でも好きな歌、歌える歌は違うんだなあ」と思ったりしませんでしょうか?それと同じように、いくつか用意した中から、子どもたちが選び取って行けるような保育を心がけたいと思っています。もちろん、年齢別に発達を見据えて取り組む必要があるもの(行事などの取り組みなど)については、年齢別で取り組むつもりです。

 特に5歳児は、就学も見据えて、「5歳児だけの活動」も絶対に必要だと考えていますし、4歳児、3歳児にとっても同じことが言えると思います。ですから、基本の生活は縦割りでも、年齢別活動もしっかりと計画的に取り入れていこうと考えています。

 

何をするにもレベルを年長か年少にあわせなくてはいけないために、上の子どもたちに物足りなさ、下の子どもたちには難しさを感じさせてしまうことが、全く無いように果たしてできるのか?

 おっしゃるように「全く無いように」は、不可能でしょう。しかし、さきほどのところでも申しましたように、普段の中でなら、「いくつか選択できるもの」を用意し、しっかり分けたほうが良い活動については、年齢別活動にするようにしたいと思います。ただ、これまでの礼拝や誕生会など、行事への参加は、基本的には「無理のない程度に3歳以上児を対象」に考えてきています。そして、実際には「3歳児も視野に入れつつ」ではありますが、「4,5歳児向け」に話をしたり、取り組みを考えたりしています。当然、理解力もそれぞれ違うことは承知のうえです。本当に必要なことは、年齢別でも話をしますが、そうした場は、むしろ、3歳児にとっては、「お兄ちゃんお姉ちゃんが話を聴く姿、楽しむ姿を『見て』楽しんで欲しい」、「そういう『場』を、少しずつでも経験していって欲しい」。そして、「『僕たちも、いつかお兄ちゃんお姉ちゃんみたいに・・・』というあこがれを持って欲しい」と思っているのです。

 「同年齢では競争的な関係になりやすい」のですが、「異年齢は安心と挑戦の雰囲気が作りやすい」という利点を最大限に生かしたいと思っています。同年齢の集団に比べると、異年齢の集団の中では、「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」という、あこがれの存在が身近にいるわけですから、「お兄ちゃん、お姉ちゃんみたいに、あんなことができるようになりたい!」と思い、挑戦する意欲がわきやすいはずです。(ご家庭で、下の子が上の子のすることを何でもかんでも真似したがる姿を思い浮かべてみてください。)また、上の子にしてみれば、「同年齢の友達と比べたら、自分にはできないことがいっぱい」と思うときでも、自分より年下の小さい子が身近にいることで、「この子達にできないことで自分にはできることがいっぱいある。小さかったときには、できなかったことが、今はできるようになった。」という「安心感」が生まれやすいと思うのです。こういう点では、むしろ「同年齢の集団」よりも「異年齢の集団」のほうがいいなと思います。

縦割り保育をもし行う中で、就学前のカリキュラムをどう立てて、来春、今のめだか組の子どもたちが卒園するのか。

 前回のおたよりにも少し書いておりましたが、慣れるまでの前半は、どうしても3歳児+4,5歳児という感じになると思いますが、後半は就学を視野に入れて、3・4歳児+5歳児という感じで、5歳児だけの活動を増やしていくつもりです。

 これまでも、年齢別に年間指導計画や月案、週案などを立てて保育しておりますので、これまでの積み重ねも踏まえたうえで、来年度の年間指導計画(「縦割り」を視野に入れますが、「発達」は無視できないので、年齢ごとの指導計画を立てます)もしも、どんなカリキュラムなのかご心配であれば、いつでもご覧頂いて構いません。(来年度のものに関しては3月中に「原案」を作成し、年度末の園内研修で職員全員で検討して、4月末までに手直しした「本案」を作成することにしています。)

同級生の活動や縦割りの活動が時によって、分けてもらえれば、私はそれで構わないと思います。今でも園全体ではみんな仲良く遊んでいるので、時と場合によっては、いいのではないかと思います。

(同様に)

子どもたちが今まで通り楽しく園生活が送れたらいいです。A、B分かれたときに、差が出ないようにしてほしい。

 ご理解いただきありがとうございます。生活のスタイルが多少かわるものの、これまで同様に、自由に他のクラスへ行ったりして遊べる時間も保障していきますので、子ども同士のつながりは、そんなに大きくは変わらないのではないかと思っています。

 2クラスとも、しっかりと担任同士、また職員全員で話し合いながら、指導計画に沿って保育を行い、一人ひとりの育ちについても確認しあいながら過ごしていこうと思っています。


はじめは不安でしたが、前回のお便りで後数年後を見通して考えられていたので、全体的にじっくり考えてみるとどっちがいいのか・・・。でも心配な点は同じで、結局それが解消できれば、そういう形にもっていってもらいたいと思います。年齢的に考えも行動も違います。それを考えて、クラスを表向き2通りにしても、朝の集まりや帰りの反省会、何かをするとき、散歩や劇、運動会、その他もろもろは、同じ年代じゃないと無理だと思います。年代(年齢)ごとの遊び、仕方などあるので。その点、よく考えた上で再度検討してください。

 「年齢的に考えも行動も違う」まさにその通りなのです。「その『違い』を子どもたちにたくさん体験して欲しい」という思いもあるのです。保育園を卒園したら、学校では、ずっと「年齢毎の横の関係」が中心です。地域で子どもたちが「縦の関係」で遊ぶという機会は、今でも、もうほとんどなくなってきていますし、今後ますます減っていくと思われます。しかし、学校を出て社会に出たら、「年齢」だけでなく、いろんな「違い」を持った人たちと接することになります。近年の日本の社会は「競争社会」で、「いじめ」が横行しています。「いじめ」の原因は、たいていの場合、「違い」を認めないことにあります。「人と違う点」があると、それが「いじめのターゲット」にされてしまうのです。ですから、いじめられないように「みんなと同じ」であろうと必死なのです。でも、それはおかしくないですか?そもそも「十人十色」と言われるように、人はそれぞれ違うはずです。最近、金子みすずの詩「みんな違ってみんないい」というフレーズが良く使われるのも、こうした社会に対する警笛なのではないでしょうか?「同じ能力の人ばかりでしか活動ができない」と考えるのではなく、「いろんな人がいる中でどうやったら、みんなが楽しめる活動ができるんだろう」と考えることのできる人に育っていって欲しいのです。子どもたちは世間を知りません。今体験することが「はじめてのこと」なのです。ですから、小さいときから、多種多様な人(おじいちゃん、おばあちゃん、おじさん、おばさん、おにいちゃん、おねえちゃん、同年齢のともだち、自分より小さい子、肌の色が自分と違う人、髪の色、目の色が違う人、言葉が違う人、障害を持っている人、文化が違う人などなど)とかかわっていれば、「この世界には、いろんな人がいるんだ」ということが「当たり前のこと」として受け止められます。反対に、偏ったかかわりしか経験しないで育ってしまうと、それが当たり前の世界となってしまうのですから、自分たちと違う人は「よそもの」として排除しようとしてしまいます。中高生などが、ホームレスの人や、障害を持った人に危害を加える事件が相次いでいますが、まさに、こうした背景には、幼少期からの多様なかかわりが少なかったことも原因の一つではないかと思うのです。

 「ひきこもり」についても、今、日本では推定で100万人を超えたとさえ言われています。この「ひきこもり」も人間関係がうまく築けないために起こると考えられています。生きていく中で、多種多様なかかわりを少しでも多く経験することが必要な時代ということもご理解頂きたいと思います。それは、今回の「少子化」が目に見える形で切羽詰ってきたときに初めて、自分たちのこととして真剣に考えるようになったのと同じで、もう「すぐそこに迫っている問題」としてとらえて頂きたいと思います。

 「同年齢のかかわり」はもちろん大切にします。そのうえで、「異年齢のかかわり」も充分体験させたいのです。「そんなのうちは必要ない」と思われればそれまでですが・・・。

心配な点はやはり「友達の横のつながり!」です。希望は、やはり今までのようなクラスがベストだと思います。この前の話で、行事などは横で行おうということですが、その横のつながりを大事にしていってもらいたいです。
 それと「発達の遅れ」も注意願います。下の子のレベルにあわせてあげる点(待ってあげること)は大事だと思いますが、年長、年中さんの発達もちゃんと考えて欲しいです。
先生たちは大変かもしれませんが、しっかりと一人ひとりを見つめてもらい、困ってる!怒ってる!など、見守って欲しいです。

 おっしゃっておられる「今までのようなクラス」が、「年齢別クラス編成のこと」のことだとすると、「それが出来なくなってきた」という「事実」のうえで、「少なくとも、ここ2,3年のうちには異年齢混合クラスにせざるを得ない状況」であるということをご理解ください。

 「友達の横のつながり」はもちろん大事にしていくつもりです。前回のおたよりにも書きましたとおり、クラスが分かれたからといって、「すべて分かれて生活する」なんてことは絶対にありえません。これまで同様、遊ぶときは一緒に遊べるし、意図的に「同年齢の活動」も作っていきます。

 「発達の遅れ」について、また、年長、年中の発達についても、丁寧に考えていきます。これまでも毎年、指導計画など作成してきておりますが、それなども参考にしながら、来年度に向けて、きちんと発達を押えた年間指導計画を作成いたします。いつでも見て頂いて構いませんので、ぜひ見て「こういう点にもっと力を入れてほしい」などご助言が頂ければと思います。3月末の園内研修で検討しますので、4月末にはきちんとした指導計画が出来上がるはずです。

 「一人ひとりを見つめて、見守って・・・」私たちも同じ気持ちです。来年度からの条件で、それが出来るのはどういう態勢なのかを真剣に考えた上のことです。


これまでも、からたちの子どもたちは“異年齢のかかわり”は充分できていると思います。(・・・中略・・・)よそはどうであれ、「からたち」は「からたち」といった方針でおられるのに、何でよその取り組みをここで、今になってされるのでしょうか?就学前、年長児を持つ親としては異年齢混合は反対です。

 「よその取り組みをそのまま持ってこよう」というのではありません。園児の数が減り、これまでどおりのクラス編成が難しくなっており、いずれ(少なくとも、この3年のうちには)異年齢混合クラスにせざるを得ない状況になることが予想されるのです。ですから、現状の限られた条件の中で、どうすることが、子どもたちにとっての最善なのかを考えた上での提案です。かといって、初めてに近い取り組みで、「行き当たりばったりの保育」をするわけにはいきませんので、うまく行っている園をモデルにしながら、もちろん地域性なども考慮なければなりませんし、すべてを真似するわけではありません。あくまでこれまでの「からたち」の保育のベースの上に、積み上げていくものですから、「からたち」の独自性をもったものになるはずです。「今になって」というのは、前回のおたよりにも書きましたが、「来年度」が、「新入園児も少なく」、「職員の入れ替わりも少なく」、「2歳児の大半が、すでに幼児クラスとしての生活を体験している」といったことから、子どもへの影響も少なく、むしろチャンスではないかと思えたからです。

 就学を控えた年長児のお子さんをお持ちであれば、なおさらのこと、心配になられるのは当然だと思います。どうぞ、具体的にご心配されている点をお知らせください。一つ一つ真剣に考えていきたいと思います。

年長児ともなると、ある程度のことはお友達同士で解決できるようになってきますが、結局は先生にまとめていってもらわなければなりません。3クラスを1つにしたら、どうしても3歳児に手がかかったりするのは目に見えています。それに13人しかいないのに、半分に分けるというのも納得できません。各クラスに担任の先生がつき、従来どおりのやり方で、お願いします。イメージを持って、試行錯誤しながら・・・というのは絶対反対です。先日のクラス懇談会では今のめだか組保護者は全員反対意見ばかりでした。保護者の思いをどうか受け止めて頂けますように。

 「各クラスに担任がつけられない」というのが事実です。これは「園の問題」ではなく、「国や市、そして制度の問題」です。保育園は保護者の方々の支払う保育料で直接経営しているわけではありません。園児の年齢や数によって配分される「運営費」というものによって運営しています。この運営費は、使い方もほぼ決められており、運営費の80%以上は「人件費」です。この運営費が、「国の最低基準に定められた配置基準などをもとに計算された額」で保育園に配られるのです。余分な人員を配置することは、その運営費だけでは、とても難しいというか、不可能に近いのです。

 しかも、園児の数もですが、園児の年齢でも保育園に来る運営費は大きく違います。以前も申し上げましたが、0歳児1人当たりに充てられる単価と、5歳児1人当たりの単価も大きく違いますし、年齢による保育士の配置基準も「0歳児であれば、子ども3人に対し保育士1人」と4,5歳児であれば「子ども30人に対し、保育士1人」と大きく違います。「こうした基準を見直してほしい」ということで、毎年保護者の方々にも署名などをお願いしてきたところです。しかし、現実はさらに厳しい方向へ向かっています。こうした状況下で、今後どうしていったらいいかを考えているのです。

異年齢のかかわりが大切な時代といっても、年長さんは保育園を卒園して1年生になるのに、3,4,5歳児と集団で生活するのは、あまりにも差があると思います。3歳といっても、まだまだ、手がかかることばかりです。3,4,5歳児を半分にしなくても、今までも十分に普段から一緒に遊んでいるので、半分に分けなくても今まで通りで十分だと思います。それでも半分にしたいのなら、つくしはそのまま年長として残して、めだか、ひばりを半分に分ければいいのではないでしょうか。
でも、こんな意見を保育園に言っても聞き流されるだけだと思いますが・・・。

 「何が何でもクラスを半分にしたい」と考えているわけではありません。「新入園児が1名しかいない」、また「0歳児が0名」、「3歳児が19名と多く、4,5歳児は併せても27名」などという条件が重なって、本来なら3,4,5歳児に2名しか正規の保育士が配置できないという状況なのだということを、まずご理解ください。部屋の数など環境面から考えても2クラスに分けるのが妥当だと思うのです。ですから、その3,4,5歳児をどう2つに分けることが望ましいのかを考えたときに、異年齢のクラス編成の良さを最大限に生かせれば、むしろ、その方が良いのではと考えたのです。「『今までどおり』に行かなくなったから仕方なく」ではなく、これを機に「より良い保育が実現できる方法」を探しているのです。

 ご心配のように、5歳児では、就学を見越して、「5歳児だけの活動」が特に必要になってきます。そこで、年度の後半になるにつれて、「5歳児だけの活動」を多くしていくつもりです。また、7月には「お泊り保育」もあり、おそらく、5月後半から6月には、それに向けての5歳児だけの取り組みなどもすぐに始まります。夏を過ぎれば、今でもそうですが、5歳児は昼寝をしなくなり、その時間を利用した「5歳児だけの活動」が増えていきます。そうした時間も利用しながら、5歳児だけの特別プログラムのようなものを計画的に盛り込んでいけたらと考えているところです。来年度に関しては、「移行の年」ですので、無理をしてでも1人多く保育士を配置しようと考えており、3,4,5歳の年齢別の担当保育者も決めております。ですから、年間を通して、同じ保育士がかかわっていくことになります。

 「でも、こんな意見を言っても、聞き流されるだけ・・・」とのことですが、「これまでも保育園側に、意見等を言っても聞き流されるばっかりだった」とお感じになっておられるのでしょうか。そうだとすれば、大変申し訳ありません。これまでも頂いたご意見などは、真剣に受け止め、園としての考えをご説明してきたつもりですし、決して聞き流してきたつもりはありません。しかし、それが、こちら側の説明が不十分で、納得頂けていないまま過ぎてきてしまっているのであれば、それは本当に申し訳ありません。再度ご説明させて頂きたいと思いますので、納得のいっていない点があれば、それをお知らせください。

今回の問題も、お便りやアンケートなど、紙を通してだけでなく、その前に保護者との話し合いをするべきではないでしょうか。その上で、決定してほしいのです。保護者のほとんどが反対の意見のようですが、このまま決定されるのでしょうか。このまま決定されれば、この2回目のお便りに書いてある「子どもを真ん中におうちの方と保育者が保育を考えていく」と言う事は全然違うと思いますが。

 話し合いをするためには、みなさんに今の園の状況を正確に知っておいて頂かなくてはなりません。「あっちの人に言ったが、こっちの人には言っていない」とか、「話し合いに都合で参加できなかった」というようなことで、「間接的に情報が伝わると、返って誤解を招く」と考えたのです。また、普段なかなか保育園にいらっしゃることのできないお父さん、おじいちゃん、おばあちゃんなど、ご家庭のみなさんにも園の状況を正確に知ってもらって、考えて頂きたかったのです。ですから、事前に、内容を正確に把握してもらうためには「きちんと書面で内容をお知らせした上で、話し合いの機会を持つ」という方法が最善だと考えました。

 はじめにも申しましたとおり、来年度の状況で、現在のところ私たちに考えられる最善の方法は、「異年齢児混合の2クラス」なのですが、それより良い方法がみつかるのであれば、もしくは、「どうしても異年齢児混合クラスには反対だ」とおっしゃる方が多いのであれば、そうした声を無視してまで、無理に推し進めるつもりはありません。ただ、理解不足のまま、安易に決めてしまうことだけは避けたいのです。

 どうぞ、もう一度、現在の保育園の置かれている状況、子どもたちの置かれている状況を冷静な目で見つめなおして頂いて、よりよい方法を一緒に探して頂けたらと思います。

保育園の事情はわかりました。しかし、あまりにも保護者を無視しすぎています。園の子どもである前に、親の子です。プリントや保護者会の説明だけですむでしょうか。なぜ全員をあつめて園長や主任の説明会がないのでしょうか。
クラス編成は大きな改革です。あまりにも保護者をバカにしています。ワンマン保育園といわれてもしかたありません。こういう改革にだまってハイというしかないのでしょうか。たくさんの親が同じことを言っています。
家で ごはんよー と言っても「まだ まだ」と言います。「保育園ではまだ食べんでよかもん」と言います。しかし小学校に行ったら時間の中での行動で、とまどうのは子どもたちです。(からたちが小、中を持っている一貫教育なら納得行きますが)
このままいけば、転園を考える親も出てくると思うし、入園者もいなくなることだと思います。

 正直なお気持ちを本当にありがとうございます。お子さんのことを真剣に考えられ、なかなか言いにくいことだったでしょうが、こうしてきちんと園に言ってくださることで、こちらも、おうちの方々の本当のお気持ちを理解することが出来ます。正直なところ、私たちも、つらく、心が痛みますが・・・。一緒に考えていきましょう。

 さて、園としましては、保護者の方々を無視したり、バカにしているつもりは全くありませんでしたが、もしも、そのように受け取られてしまったのだとしたら、大変申し訳ありません。心よりお詫びいたします。はじめから、プリントとクラス懇談会の説明だけで終わらせようとは考えておりません。まずは、今の園の状況を理解して頂いたうえで、おうちの方々が、納得して賛成して頂けるのか、そうでない場合はどういう点が心配で、どういう点を不安に思われているのか、などをこちらも把握した上で、今度の「からたち総会」において、「全体での話し合いの場」を持ちたいと考えていたのです。なかなか全体の場では質問や発言しにくいこともあるかと、ちょうどクラス懇談会の時期でもありましたので、懇談会のなかでも質問等を受けるようにしました。お便りを先に出したのは、あらかじめ、状況を知っておいて頂いたほうが、話がしやすいこと、また、おうちにおられる、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん方にも園の状況を知っておいて頂きたかったためです。

 「クラス編成は大きな改革・・・」確かにそうですね。「私たちの思い」だけで、変えようとしていたのなら、こんなに急なことはせず、じっくりとおうちの方々とも話し合いを重ねて、納得の上で進めていったことと思います。しかし、今回の場合は、何度も申し上げている通り、来年度の新入園児が1名と極めて少ないこと、4,5歳児クラス併せて27名に対して、大人の丁寧なかかわりを必要とする3歳児クラスに進級する子どもが19名と多いこと、来年度だけでなく、今後も園児数の増加が見込めない地域であること、などから、こうした条件のなかで、どうやったら、しっかりした保育ができるのかを考えてのことなのです。「園児数の減少=運営費の減少」なのです。来年度はとにかく、これまで以上に園の財政が厳しいのです。「来年度だけ何とか持ちこたえれば、その後は何とかなる」という見込みもないなかで、「これまで通り」には出来ないということをご理解ください。こうした厳しい状況ですが、この状況を切り抜けるのに「仕方なく」クラス編成を変えるのではなく、「より良い保育の実現にむけたチャンス」ととらえたいのです。

 「だまってハイというしかないのでしょうか」ということですが、こちらがもし、そう考えていたとしたら、3月の間はこのことは伏せておいて、4月になって発表したことでしょう。しかし、それではいけないと考えたからこそ、年度内にお知らせしたのです。具体的に、ご心配な点や不安に思われる点をお聞きしているのです。それらについての私たちの考えを述べさせてもらって、それでも、どうしても納得がいかないという声が多いのなら、そういう声を無視してまで進めるつもりはありません。

 食事のことについてですが、保育園でも全くけじめが無いわけではありません。ある程度の時間の枠を作って、その間に「『自分で』遊びに区切りをつけて、片づけをして、食事に気持ちを向けられるように』、とか「集中して何かに取り組んでいるときに、『あと少し』と思うことは大人でもあるし、そういう姿も大事にしていきたい」とか、「『大人の指示が無ければ動けない子ども』にはしたくない」「自分の行動は自分で考えて行動できる子どもを育てたい」などの思いで、そのようにしているわけですが、この辺の説明もおそらく不足してしまっていたのだろうと思います。小学校に上がって、このことで戸惑っている子どもたちが、現実にいるのだとすれば、私たちも、もう一度考え直さなくてはなりません。保育園には、小学生のお兄ちゃん、お姉ちゃんをお持ちのご家庭もたくさんいらっしゃいますので、ぜひ、お兄ちゃん、お姉ちゃんたちが小学校にあがってからの様子などもたくさんお聞かせください。「自由」は大事にしていますが、「放任」しているつもりはありません。

 そして、もうひとつ付け加えさせて頂くとすれば、少々きつい言い方をさせて頂くなら、本来「食事のマナー」は、どこでしつけるものなのでしょうか?保育園で朝昼晩の3度の食事をとっているわけではありませんよね?

 「このままいけば、転園も・・・」とのことですが、これまでも、これからも、「子どもを真ん中に、親と一緒に子育て、保育について考えていく」という姿勢を崩すつもりはありません。それは、「保育園の言うことをおうちの方々に一方的に聞いてもらって、従ってください」ということでもなく、「おうちの方々の言われることを、園が何でもかんでも聞いて、それに従っていく」のどちらでもありません。はじめに「園の子どもである前に親の子ども」とありましたが、もちろん、その通りです。しかし、「地域の子ども、社会の子ども」という考え方もできるのではないでしょうか?今の日本の社会は物質的には豊かかもしれませんが、心はどんどん貧しくなっていっていると思いませんか?社会全体が良い方向に進んでいるとはどうしても思えず、そんな社会に子どもたちを送り出さなくてはならないときに、保育園時代にどんな心、どんな力、どんな芽を育てておきたいのか。そんなことを考えながら、保育をしていきたいと思っています。いろいろご不満な点やわからない点などありましたら、どうぞその都度、何度でもお尋ねください。それでも、どうしてもご理解頂けないときは、「どうぞ、ご自身の納得できる保育をされている保育園へお子さんをお預けください」としか申し上げられません。

 わたしたちは、外からは見えにくいかもしれませんが、「この幼児期に、本当に必要な力は何か」を真剣に考え、取り組んでいるつもりです。行事やさまざまな面で、「見栄え」はしないかもしれませんが、子どもにとって「本当に必要な、大切なものを育てたい」という思いで保育しているのです。単に「見栄え」だけを求めたほうが、保育だってどれだけ楽なことか。大人が子どもたちに「こうして、ああして、こうしなさい」と従わせるだけで済むのですから・・・。しかし、それではいけない。本当に必要なのは、「子どもたち自身が、『自分のやりたいこと』を見つけ、『それを実現するにはどうしたらいいのか』を考え、さまざまな葛藤を乗り越えながら、自分の思いを実現(表現)していく力」を身につける事のほうが重要なのではないかと私たちは思います。こうして得る力は、そんなにすぐに目に見える形で成果として表れるわけではありません。今後、子どもたちがどんな大人に成長していくか、それを見届ける以外ないのです。

 大変長くなってしまいましたが、これが今の私たちの考えです。時間をかけてゆっくり考えながら書く時間がありませんでしたので、わかりづらい点など多々あるかとおもいますが、どうぞお許しください。





河内からたち保育園のホームページへへ