あけましておめでとうございます。

いよいよ21世紀に突入しました。おかげさまで私たちのからたち保育園も世紀をまたいで21年目、これからもよりよい保育をめざし、子どもたち、そして、おうちの方々、地域の方々とともに歩んでいきたいと思っています。

今後とも何とぞよろしくお願いいたします。

( 初瀬基樹 )

眠りはいのちや、育ちや、健康さの基盤


今月は、全クラスを通じて、昔から伝わるお正月の遊び、凧あげやこままわし、カルタ、すごろく、福笑いなどを子どもたちといっしょに楽しみ、少しのんびりした保育を心がけながら徐々にリズムを取り戻していきたいと考えています。

 休み明けの子どもたち、久しぶりの友達や保育者との対面でうれしかったり恥ずかしかったりで、元気に登園してくる子もいれば、登園を渋る子もいるようです。私たち大人も生活のリズムが狂ってしまっているので、休み明けは仕事がつらいのですが、きっと子どもたちも同じなのでしょう。中には私たち大人同様、休み中の夜型生活から抜けきれずに、エンジンがかかるまでボーッとしている子もチラホラ。この時期、子どもたちにとって一番大事なことは、やはり生活のリズムを取り戻すことだと思います。

 先月のからたち便りでは「子どもをダメにする現代の3つの毒」ということで「速視速聴」「遅寝、遅起き」「おかし(砂糖)」の害について簡単にご紹介しましたが、この中の「遅寝、遅起き」に関連しての資料が見つかったので、今月はこれをご紹介しておきたいと思います。

 これは次ページの参考文献に書名を記しておきますが、この本の中で紹介されていた、広島の阿品台東保育園という所の資料です。この保育園で生活リズムに関するアンケートを行ったところ、81%の子どもが夜9時以降に寝ていると答え、さらに11時以降に寝ている子が16%もいたそうです。こうなるとやはり、朝一人で起きられない、寝起きが悪い、朝食が食べられない、午前中ボーッとしている、イライラしてトラブルが多い、集中力がない、などといった姿がよくみられるようです。

 子どもたちが眠っている間(長さだけでなく、時間帯も重要!!)、こんなに大切なホルモンが分泌されているのだそうです。「眠る」ということについてもう一度考えていきませんか。

子どもの夜の眠りの中でのホルモンの分泌

―― 20時

暗く、静かにして入眠する

―― 21時

成長ホルモンの分泌が高まります

 筋肉や骨を育てからだを大きくする働きをします

―― 22時

―― 23時

 ※11:00〜12:00に眠っている子は成長ホルモンの分泌が高まっていません。たいへん・・・

―― 24時

メラトニンの分泌が高まります

 ○視床下部の働きを調整して

―― 1時

  イ、 性の成長をコントロールします

  ロ、 情緒の安定を促します

―― 2時

ACTHの分泌が高まり始めます

 ○集中力、意欲、学習力などを強くします

―― 3時

 ○副じん皮質を刺激し、コルチゾールを出させる働きをします

―― 4時

コルチゾールの分泌が高まり始めます

 ○エネルギーを発散させる働きをします

―― 5時

 ○体温が高くなる働きをします

○目が覚める働きをします

体温が上昇してきます

―― 6時

一人でめざめます

※ 朝遅く起きる子は体温が上昇しにくく、めざめが悪くなります。すっきり起きたいものです。

夜型生活の弊害は、朝起きられずに遅刻が多くなって学校を休むことが多くなり、登校拒否や不登校の問題を引き起こす可能性があったり、午前中あくびをしたり、元気のない子どもを増やしています。自然に逆らった生活リズムでなく、「当たり前寝の当たり前起き」ができるよう努力してみませんか。


【参考文献】  
  新沢誠治・今井和子 著 『家庭との連携と子育て支援』 ミネルヴァ書房 
  216ページ(広島県廿日市市・阿品台東保育園資料より)




河内からたち保育園のホームページへ