巳年に想う


初瀬基樹
 

   新年あけましておめでとうございます。
       今年もどうぞよろしくお願いいたします。



 今年は「巳年」ですね。語源や由来をインターネットで調べて見ましたら、次のように出てきました。


(以下、引用)

 「巳」の本来の読みは「し」。源字は頭と体ができかけた胎児を描いたもので、子宮が胎児をつつむさまを表す「包」の中と同じ。十二支の「巳」は、植物に種子ができはじめる時期と考えられる。『漢書 律暦志』では、「止む」の意味の「已」とし、草木の生長が極限に達して次の生命が作られはじめる時期と解釈している。
 

(他のページより)

 「巳」(み、し)という字は、胎児の形を表した象形文字で、蛇が冬眠から覚めて地上にはい出す姿を表しているとも言われ、「起こる、始まる、定まる」などの意味があります。
 
 「巳」を動物にあてはめると「蛇」になりますが、古来より、蛇は信仰の対象となっており、谷神(やとのかみ。谷や低湿地を司る)、豊穣神、天候神などとして崇められてきました。祭祀や祀りごとの「祀」に「巳」が用いられているのは、「祀」とは自然神を祀ることをいい、自然神の代表的な神格が巳(蛇)だったからです。

 また、蛇は脱皮をすることから「復活と再生」を連想させ、餌を食べなくても長く生きることから「神の使い」として崇められ、全国各地に蛇神を祀っている神社があります。たとえば、七福神のひとつである「弁財天」は蓄財と芸能の女神ですが、蛇の形をした神として祀られていることも多いです。また、蛇の抜け殻を財布に入れて蓄財を願うなど、お守りにする風習が今でもみられます。

 巳の特徴は、探究心と情熱。蛇は執念深いとされていますが、恩を忘れず、助けてくれた人には恩返しをすると言われています。

(引用これまで)



 他にも、「鏡」の語源が「カガ(昔のヘビの呼び方)の眼」という説。ヘビには瞼がなく、澄んだ綺麗な眼をしていて、まばたきをしない。何でもお見通し。その「カガの眼」から「鏡(かがみ)」となったという説や、正月に供える「鏡餅」も「蛇がとぐろを巻いた姿」が原型であるという説などヘビにまつわるいろんなことが出てきました。どれも真偽のほどはわかりませんが、こうして意味や由来を知ると、なるほどなあと「蛇(へび)」に対するイメージも少し変わってきました。

 なにより、巳年は、「復活と再生」を連想させるヘビの年であり、「起こる、始まる、定まる」そして「次の生命が作られ始める(実をつけはじめる)年である」ということに希望を抱いています。今の日本にとって、そして、わが園にとっても、まさにそんな年であってほしいと思います。

 
 年が明けて、わが園にうれしいニュースが一つ。この1月から2名の新入園児を迎え、わが園もようやく定員を満たすことが出来ました!実に5年ぶりのことです。

 約10年前の2001(平成13)年には、現状からは想像がつかないかもしれませんが、わが園は75名定員で90名の園児がいました。しかし、その年度末に30名の年長児を卒園させ、その後は、人口減少が続いている町の状況からしても定員を満たしていくことが難しいと予測されたため、2002(平成14)年に60名定員に減員しました。

 そのわずか5年後の2007(平成19)年からは、その60名の定員も下回るようになってしまい、さらに定員を下げなくてはなりませんでしたが、当時は「待機児童解消が最優先」だった(現在もですが)ため、熊本市から、なかなか定員の減員を認めてもらえず、数年待って、やっとの思いで2010(平成22)年に40名へ定員の減員を認められました。

 しかし、40名定員になってからも、2年間は定員を満たすことができないままでした。(※定員数が低い方が園児一人当たりの保育単価が高く設定されているため、定員を下げることにより、経営の安定化を図らなくてはならないのです。)

 もう10年以上に渡って、河内校区の人口は毎年100人単位で減り続けていて、2012年12月現在では、4500名を下回っています。加えて、65歳以上の方が35%を超えるという「超々高齢社会」でもあります。(14~21%を「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と言われますが、わが河内町の高齢者の率は、その遥か上をいっているのです。)

 この10年、園は経営的には厳しかったのですが、異年齢保育に取り組むようになったこともあり、それまで以上に、保育のあり方を子どもにとってどうなのか、保護者にとってどうなのか、地域にとってどうなのかと職員みんなで追及しながらがんばってきました。

 おうちの方々のご理解、ご協力もあって、保育内容の面では、少しずつ充実してきているように感じています。しかし、環境面を考えると、この園舎は耐震基準が改正される以前のもので築33年となり、そろそろ老朽改築も考えていかなくてはなりません。

 いろんな方から、「からたちは、とっても良い保育をしているのに、園児が少ないのは、外部へのアピールが足りないからだ」とおっしゃっていただきます。園児が少ないからこそ、これだけのことができるという面もありますが、この地域で長く園を続けていくためには、やはり、毎年、定員を満たしていくことが大前提となります。どうぞ皆さまのお力をお貸し下さい。

 今後は「外部の方にわが園のことをもっと知って頂く」ということも念頭に置きながら、保育内容の面で、さらに充実した保育ができるように、研修にも力を入れ、職員一丸となってがんばっていきます。どうぞ、今後ともこれまで同様、皆さまのあたたかいまなざしとご理解、ご協力をお願いします。

 皆さまにとっても、よい1年でありますように。









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