将来の夢


初瀬基樹
 

 先日の「父の日の集い」には、たくさんのお父さん方にご参加頂きましてありがとうございました。お父さんと一緒にパン作り。なかなかおもしろい取り組みになりましたね。子どもたちもですが、お父さんたちも実に楽しそうな表情をされていて、親子でいい体験をして頂けたのではないでしょうか。「家族に見せたいので食べずに持って帰ります。」とか「家でも作ってみたいのでレシピを下さい。」というお父さん方もいらっしゃって、大変うれしく思いました。

 また、午後の作業も、貴重な梅雨の晴れ間をつぶしてしまって申し訳ありませんでしたが、おかげさまで、職員だけではなかなかできない園庭整備やテーブルづくりなど、一気にやることができて助かりました。本当にありがとうございました。



父親の気持
         
                 景山祥鼎

父親は夢を語るもの
自分が若い時 何になりたかったのか
遠くを見つめながら 熱く語る
なぜなら
人生は常に思うようにはいかず
はがゆいことばかり と知っているから
そして
ただひたすらわき目もふらず 黙々と働き
自分のことより
家族一人一人の幸福を願うのみ
だから
直接言葉を交わせなくとも
うしろ姿に向かって
「おとうさん有難う」と言ってもらえたら
それで満足
それが父親!




 父の日の集いのときに、紹介した詩です。(これは阿蘇にある葉祥明美術館に飾ってあった詩です。)この詩のように「ぜひ子どもたちに夢を語ってあげてください」というお話をさせていただきましたが、みなさんは、小さいころ、何になりたかったですか?


 宇宙飛行士、パイロット、ケーキ屋さん・・・、昔から子どもたちに人気のある将来の夢ですが、最近はサッカー選手、プロ野球選手、女の子であれば、パティシエ(ケーキ屋さんから進化した?)アイドルなどが上位を占めているそうです。総理大臣とか、学校の先生になりたいという夢は、最近は、あまり出てこなくなってきたとか・・・。なんだかわかるような気もしますね。


 そういう私は、小さいころ、これといって将来なりたいものがありませんでした。小さいころから心配性(怖がり)で、友達につられて「パイロット」と言ってはみたものの、内心、(飛行機は墜落するかもしれないからいやだな)と考えていたり、(船は沈没するかもしれないから乗りたくない)とか、スポーツ選手にはもともとあんまり魅力がありませんでしたし、親戚のおじさんから「総理大臣になれ」と言われても「暗殺されるからいやだ」と答えたり・・・。子どもらしくない子どもだったのかもしれません。

 ただ、絵を描いたり、物を作ったりするのは好きだったので、漠然と芸術家のようなものになりたいなと思っていました。結局は、保育園で働いているわけですが、保育園って、考えようでは何でも出来る場なんですよね。絵を描いたり、物を作ったり、歌をうたったり、運動したり・・・何でも子どもたちと楽しめれば、それが保育になるのですから。

 ずいぶん前に、園児から「大きくなったらモトキになりたい!」と言われたことがありました。「え?保育園の先生になりたいっていうこと?」と尋ねたら、「違う、モトキになりたい」というのです。真意のほどはわかりませんが、よほど、私が毎日楽しそうに見えたのでしょうか? うれしい言葉でした。

 園庭の遊具などを作っているときには、大工さんになりたいという子が必ず出てきますし、やはり大人が楽しそうにやっていることは、自分もやってみたいと思うのでしょうね。そういえば、昨年度の年長さんも卒園式で「“からたち保育園の”保育士になりたい」と言ってくれた子がいました。


 子どもたちには、ぜひ「大きくなったら○○になりたい!」という夢を持ってほしいなと思います。
世界で偉業を成し遂げた人たち、よく言われているのは、小さい時からの夢を応援してくれた人がいたということです。

 ぜひ、お父さんお母さんが小さいころに思い描いていた夢を子どもたちに話してあげてください。働いている姿を見せてあげてください。そして、子どもたちの夢を温かく見守り、育んでいってあげてください。







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