新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
初瀬基樹
昨年は、東日本大震災という未曽有の災害が起こり、あらためて、自然の怖さを痛感した年でした。地震、津波という自然災害の恐ろしさに加え、追い打ちをかけるように起きた人災という側面が強いと思われる原発事故など。それらの影響により、いまだに不自由な生活を強いられている人たちのことを思うと心が痛みます。
しかし、震災後は、日本中に「絆」や「助けあい」「思いやり」といった、このところ私たちが忘れかけていた温かい気持ちが広がってきているように感じます。そして、私たちにとっての「当たり前の日常」がいかに幸せなことであるかということにもあらためて気付かされたように思います。2012年は明るく、「希望」の持てる年であってほしいですね。
保育の世界においても、「子ども子育て新システム」という制度改革の波が押し寄せています。様々な問題点を抱えたままですが、近々法案が提出されるように聞いています。
激動の年となりそうですが、保育園は「子どもたちの健やかな育ちの場」であるということ、「保護者や地域の方々と共に子育てのパートナーとして歩んでいく場」であるということを忘れずに、今年も職員一同、私たちにできることを精いっぱい頑張りたいと思っています。あらためまして、今年もどうぞよろしくお願い致します。
一足早い保育証書授与式
さて、12月には、きらきら(幼児クラス)で、しょうげんくんの一足早い保育証書授与式(卒園式)を行いました。ご家庭の事情により12月末で日本を離れることになったためです。
3歳児で入園したしょうげんくん、私とは食事のグループが一緒になることが多く、よく一緒に食事をしました。入園当初は日本語があまり理解できていなかったこともあり、口数も少なく、お茶ばかりおかわりして飲んでいて、おかずにはほとんど手を付けず、白ご飯しか食べませんでした。性格的にも、あまり自己主張をするタイプではなかったので、おかあさんをはじめ、ご家族の方々も園生活や友だち付き合いのことなどで、さぞ心配されたことと思います。
そんなしょうげんくんでしたが、年長になる頃には、心も体も大きく成長し、一度やると決めたら黙々とがんばる姿が見られるようになっていました。9月の運動会では、板越え、竹登り、竹馬、跳び箱など、全ての種目にやる気満々で取り組み、年長としてかっこいい姿を皆に見せてくれましたし、気がつくと、食事の面でもいつの間にかいろんなものが食べられるようになっていました。また、先月のクリスマスの聖劇でも、ヨセフ役を堂々とこなしていました。いろんな面で自信を付け、年下の男の子たちからも慕われ、園生活を存分に楽しんでいるように見えました。ただでさえ、今年度の年長は5人と少ないので、3月までなんとかこの園で友だちとの絆をさらに深めてほしいと思っていましたが残念です。
保育証書授与式では、年長の友だちがしょうげんくんへのメッセージとして、それぞれ自分で書いた手紙を読みました。みんな大号泣で言葉にならないほどでした。年長児だけでなく、年中の子どもたちもわんわん泣き出してしまうほどでした。こんなにも友だちとの別れを悲しむことができるんだなと、かけがえのない「仲間」としてしっかり絆が出来ていたんだなと感じました。
誰の言葉か知りませんが、「出会いは人生を広げ、別れは人生を深める」という言葉があります。出会いがあれば、いつか必ず別れが来るもので、別れはつらく、悲しいものです。でも、それがきっとそれぞれの人生を深めていくものなのですね。
式のなかで、子どもたちとどうしても歌いたい歌がありました。これまであんまり歌ったことのなかった歌でしたが、子どもたちすぐに覚えてくれました。
『きみとぼくのラララ』(作詞:新沢としひこ/作曲:中川ひろたか) ※1番のみ
さよなら なんて いわなくても いいよね またあえるね
げんきで なんて いわなくても げんきで またあえるね
ぼくのみるそらと きみのみるそらは つながっているから おんなじそらだから
ラララ さよならのかわりに なみだのかわりに
ラララ きみと ぼくの あいだに
ラララ ひとつのうた
『ともだちになるために』(作詞:新沢としひこ/作曲:中川ひろたか) ※1番のみ
ともだちに なるために ひとは であうんだよ
どこの どんな ひととも きっと わかり あえるさ
ともだちに なるために ひとは であうんだよ
おなじような やさしさ もとめあっているのさ
いままで であった たくさんの
きみと きみと きみと きみと きみと きみと きみと
これから であう たくさんの
きみと きみと きみと きみと ともだち
心に残る保育証書授与式でした。
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