すみれお世話隊
初瀬基樹
わが園が本格的な異年齢混合保育を始めて4年半になります。きらきらで年少児~年長児の子どもたちが一緒に過ごすなかで、つくしさん(年長児)は下の子への「思いやり」が育つばかりでなく、年長児としてのプライドから「より年長児らしく」振舞うようになり、しっかりしたおにいちゃん、お姉ちゃんに育っていきます。そんなつくしさんを見て、めだかさん(年中児)、ひばりさん(年少児)は、お手本が身近にいることで、憧れて真似しているうちに、いつのまにか遊びや生活、さまざまなものが伝承されていきます。保育者にとっても、上の子が下の子のお世話をしっかりしてくれるのでクラス運営がしやすく、「思いやり」や「人とのかかわり」、「自主性」「意欲」など、今の時代に特に育てておきたい力を無理なく身につけていくことができるなあと、異年齢混合保育の良さをますます実感しています。
さて、そこで今後さらに進めたいと思っているのが、「きらきら(3歳以上児クラス)とすみれ(3歳未満児クラス)の交流」です。わが園は他の園に比べれば3歳以上児と3歳未満児の交流も多いと思いますが、先日の職員会議でも「せっかくの異年齢保育なのだから、もっとお互い活発に交流させたいよね。」という話になり、具体的にどうすれば交流できるかを話し合いました。結果、すみれ(3歳未満児クラス)からは、2歳児の発達の進んでいる子、0,1歳児と一緒の活動では物足りなくなってきている子たちをどんどん幼児クラスへ行かせ、上の子たちと一緒に散歩に出かけたり、活動に加えてもらうようにしよう。そして、きらきら(3歳以上児クラス)からは、すみれ(3歳未満児クラス)へ行きやすいように、しかも、ただ遊びに行かせるだけではなく、「小さい子のお世話をしっかりするんだよ。」「大人のお手伝いをしっかりするんだよ」と目的を持たせ、まずは2~3人ずつ日替わりで行かせてみようということになりました。名付けて「すみれお世話隊」。早速、担任がその話をすると子どもたちは大喜びで、「早くすみれさんのお世話したい!」と意欲満々な様子だったとのこと。
「異年齢の交流も大事だけど同年齢のつながりが弱くなるのでは」とご心配の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これまでの子どもたちの様子を見る限り、その心配は無用だと思われます。子どもたちは遊びによって、特にゲーム性の高い、競い合うような遊びのときには発達のレベルが近い同年齢の子でないとおもしろくないため、自然と同年齢の子と遊ぶことが多くなりますし、活動によっては敢えて年齢別に分けて行なうこともあります。特に年長児になると、今のつくしさんたちを見てもそうですが、年長の時間やお泊まり保育など様々な行事の取り組みを通して同年齢のつながりがとても強くなっています。普段、異年齢で一緒に過ごすことで幅広い人間関係が作れるようになり、それによって同年齢の仲良しの絆も一層深まるのではという気さえしています。
さて、一歩進んだ異年齢保育にむけて活動を開始した「すみれお世話隊」今後どうなることやら・・・。
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