このままでは運動会も出来なくなる!?
初瀬基樹
先日の運動会には、たくさんの方に見に来て頂き、また役員さんをはじめ、お父さん、お母さん方には準備から片付けに至るまで本当にお世話になりました。おかげさまで晴天の下、とてもいい運動会を開催することが出来ました。心よりお礼を申し上げます。
さて、今回のタイトル「このままでは運動会もできなくなる!?」には二つの意味を込めています。一つは、「わが町の過疎化、少子高齢化による園児の減少」を心配しているのですが、もう一つは、「現在、急ピッチですすめられている保育制度改革の行方」を大いに心配しているのです。
ほんの一例ですが、・・・
現行の保育制度では、保育園は11時間開所が原則で、基本的に8時間はどの子も保育を受けることができますので集団で活動する時間を計画的に取ることが出来ます。しかし、新制度になると「親の就労形態により保育時間が認定される」ことになる為、子どもによって保育を受ける日や時間帯がバラバラになってしまいます。集団としての活動どころか、子どもたちの生活リズムを作ることさえ難しくなることが予想されます。運動会などの全員参加の行事など、とてもできなくなってしまうのです。
行事を開催するにしても、認定された保育時間以外の利用は、すべて親の自己負担となりますので、取り組みに必要な時間や行事当日など、「行事に参加させるために保育料を上乗せ」ということにもなりかねません。そうなると、家庭によって行事に参加したりしなかったりという状況も生まれてくることになるでしょう。
また、日や時間帯によって子どもの数が変わるため、保育士もパート職員中心にせざるを得なくなり、経験豊かな正規の保育士はどんどん少なくなっていってしまいます。行事の問題だけでなく、保育そのものの「質の低下」が心配であり、何より、保育が「福祉」ではなくなってしまうことに非常に危機感を覚えています。
今回の保育制度改革については、度々お話しさせて頂いたり、署名等もお願いしたりしておりますが、上記以外にも心配な面が多々あります。九州では保育団体としても反対運動等を行っていきますが、一般の方々からは「保育団体は既得権益を守ろうとしているだけ」と批判されることもあるようなのです。例え、新システムへの移行が免れないにせよ、最低限「子どもたちの健全な育ちが保障されるシステム」になるように、保護者の方々をはじめ、一般の方々にも、「子どもたちのため」に一緒に声をあげて頂ければと思います。
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