トラにまつわるエトセトラ
初瀬基樹
あけましておめでとうございます。
2010年は寅年。トラというのは、ことわざなどにもよく登場しますね。ちょっと調べてみたら、有名なものから、へえ~と思うものまで、結構おもしろかったので、少しご紹介します。
虎穴に入らずんば虎子を得ず…大きな成果や利得を望むなら、大きな危険は避けてはいられないことのたとえ。
・ 貴重な虎の子が欲しければ、怖ろしい虎の棲む穴に挑まなければ手に入れることは叶わないということ。
虎の威をかる狐…権力や権勢のある人の力をかさに着ている人のたとえ。
・ 虎に捕まって食べられようとしている狐が「天帝が私を獣の長とされたのですから、私を食べると天帝の意に背くことになりますよ。嘘だと思うなら、どんな獣でも私を見て逃げていきますから、後ろからついて来て確かめてご覧なさい」と言い、虎がそのようにすると、確かにどんな獣も皆逃げ出したという。(虎は、獣たちが狐の後ろにいる自分を恐れて逃げたことには気付いていなかった。)
大虎になる…普段小心の人間が、酒を飲むと人格が変わってしまうこと。
虎の子…虎は子どもを非常にかわいがるというところから、大切にして手元から離さないもの。秘蔵の金品
さて、ここからはクイズです。
1.なんと読むでしょうか? 「御虎子」
2.「苦しい家計のやりくり、算段のたとえ」に使われる「虎の子渡し」のもとになったお話しです。よく読んで考えてみて下さい。
昔は、トラが三匹子を産むと、そのうちの二匹はトラで、一匹は普通のトラより三本ヒゲの多い彪(ヒョウ)が生まれると考えられていました。(豹とは違うらしい)この彪(ヒョウ)は、トラよりも獰猛で、母虎が見ていないときょうだいの子トラを食べてしまうのだそうです。このため、母トラはいつもこの彪(ヒョウ)を見張っていなければなりませんでした。あるとき、母トラとこの三匹の子が、大きな川の岸辺まで来ました。子トラたちは、まだ一匹では川を渡ることはできません。母トラが一匹ずつ口にくわえて川を泳いで渡ります。しかし、母トラがいないときに彪(ヒョウ)と他の子トラが一緒になると、彪(ヒョウ)は他の子トラを食べてしまいます。
さて、母トラはどのようにすれば、三匹とも無事に川を渡らせることができるでしょうか?
1の答え・・・おまる 「まる」は大小便をする意味の動詞「まる(放る)」。その形から虎子という字が当てられたらしい。
2の答え・・・川を渡るときに母トラはまず彪(ヒョウ)を対岸に渡し、次いで他の子トラ一匹を渡してから彪(ヒョウ)を連れ帰り、彪(ヒョウ)を置いて、残る一匹の子トラを渡し、最後に彪(ヒョウ)を渡らせればよい。
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いかがでしたか? 子育ての役には立たないかもしれませんが、家族団らんのひとときに、話題のひとつにでもなれば幸いです。
今年も母トラに負けないように子どもたちを大切に育てていきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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