進級、新入園おめでとうございます


初瀬基樹
  

 新しい年度を迎えました。今年度もどうぞよろしくお願い致します。

 昨年度19名の卒園児を送り出し、今年度4月からは4名の新入園児を迎えました。
 数年前(7~8年前)までは、75名定員で90名近くもいた園児が、この数年で激減し、今では60名定員にもかかわらず、今年度のスタートはなんと35名です。ピーク時の1/3近くになってしまい、保育園もずいぶんさみしくなりました。それだけこの河内町の過疎化、少子高齢化が急激に進んでいるのです。なんとかみんなで町を活性化させていきたいものですね。

 園児が少なくなると園の経営が厳しくなるのは事実ですが、園児が少なくなったことは、保育園にとって必ずしもマイナス面ばかりではありません。異年齢混合クラス編成にしたことも、小さい子がお兄ちゃんお姉ちゃんにお世話してもらえることで、毎日とても安定して過ごせるようになりましたし、年長さんは、小さい子たちのお手本となろうとするのか、責任感が強くなり、園の年長者として、より年長らしく成長してくれるようになりました。子どもたちに「思いやり」とか「責任感」が、しっかり育つようになってきたと感じています。今となっては、異年齢混合クラスにして本当に良かったと思っていますし、「子どもたちが自ら育ち合う、まさに理想の保育なんじゃないか」とさえ思えるほどになりました。

 さらに、何をするにも狭く感じていた保育室や園庭が広々と使えるようになってきましたし、園児一人ひとりを今まで以上に、きめ細やかに見れるようになり、今後ますます丁寧なかかわりができるようになるのではないかと思っています。

 昨年、今年と3歳未満児クラスは、0・1・2歳児全員あわせても10名ほどしかいませんが、これぐらいの人数だと、毎日、個々に合わせて、本当に落ち着いてのんびり過ごせるんだなと感じていますし、「保育」という面で見ると、やはり、これぐらいの人数が適正人数なんじゃないか、「乳幼児にとって、家庭的な雰囲気が大切」とは言われるけど、今の日本の保育園は大半が大規模になりすぎて、とても家庭的な雰囲気など作れないんじゃないか?などと感じるようにもなりました。わが園は、これから「どんどん園児を増やしていこう」などということは考えず、「この河内町で、今の規模を保ちながら、末永く地域の子どもたちの育ちを応援していけたら」という思いです。


 さて、昨年改定された保育所保育指針が、いよいよ施行されます。それに伴い、わが園でも、先日の園内研修において、わが園独自の保育課程(保育計画)作成に向け、「0歳から6歳までの子どもの育ち」を確認しながら検討したり、「今年1年間の指導計画」を検討したりしました。そのなかで、職員みんなで確認したことは、「これまで以上に一人ひとりを丁寧に見ていく」ことは、もちろんですが、特に「健康でしなやかな身体作りをしっかりしていこう」と話し合いました。

 今、日本の子どもたちの体力は、「これより下がりようがない」というところまで落ちてしまっているそうです。遊び場の減少、テレビやゲームが中心の子どもたちの遊びの変化などによって、外遊びをする子どもは激減しました。また、何でもかんでも危ないものから遠ざけようとするあまり、子どもたちの危機回避能力は全くといっていいほど育たない環境になってしまいました。「すぐに転ぶ」だけでなく、「転んだ時に手が出ない」とか、「顔から転ぶ」など、以前から警告されていたことが、今では「それが普通」になりつつあります。わが園では、そうしたことにならないように、「たくましい子どもに育つように」との願いを込めて、外遊びを十分保障し、遊びながらいっぱいいろんな力が身につくような環境を考えています。それに加えて、昨年度後半から、「リズム遊び」も取り入れ、なっちゃんを中心に進めてきました。今年度も、「リズム遊び」をさらに深めていき、音楽に合わせて、力を入れたり、脱力したり、走ったり、急に止まって寝そべったりと、自分の身体をコントロールする力や、しなやかな身体作りをしていきたいと思っています。

 さらに、もうひとつ、今年度力を入れたいと思っているのは、「表現力」です。

 絵、言葉、歌、身体表現、劇、さまざまなものが含まれますが、「子ども騙し」ではない、レベルの高い芸術文化を私たち保育者自身も勉強し、取り入れ、子どもたちに伝えていきたい。どこまでできるかわかりませんが、そんなことも考えています。

 また、今まで以上に「地域の親子」にも目を向け、保育園に通っていない親子への子育てのお手伝いも出来ればと考えています。これは、今年度、地域担当としての池ちゃんを中心に、河内町の子育てサークルなどとも連携して、いろんな子育てに関する情報を保育園から地域に向けて発信していきたいと思っています。

 やりたいことが盛りだくさんの期待にあふれた4月です。

 今年度も一緒に子育てを楽しみましょう!!



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