第29回運動会を終えて


初瀬基樹  

 
 先日の運動会では、準備から片付けに至るまで、本当にお世話になりました。また、お忙しい中にたくさんの方々に見に来ていただき、温かい声援を贈って頂きまして、本当にありがとうございました。おかげ様で、とても楽しい一日になりました。子どもたちの一生懸命な姿、やり遂げた後の自慢げな笑顔、本当に素敵でしたね。


 運動会というと、目に見える運動面での成長ばかりに着目しがちですが、同時に心も成長していることに着目したいと思います。

 プログラムにも載せていた『からたち保育園にとっての運動会とは』にも書いておりますが、保育園時代にぜひとも身に付けてほしい力は大きく3つ、「自主性」、「意欲」、「思いやり」です。健康的な体作りとともに、こうした心の成長を願っての保育であり、節目としての行事です。また、今回の取り組みを通して、やはり、子どもたちが何か力を身につけるための原動力は「楽しい」と感じる力だなということを再確認しました。嫌なことを「やらされて」では身に付かないものです。自ら、「やりたい!」、「できるようになりたい!」と強く思ってこそ、意欲も湧き、自主的に取り組むのです。そして、自分の持てる力の100%以上を発揮したときに(120%程度の力が必要なことに挑み続けることによって)、いつの間にか新たな力を身につけ、成長していくのです。持てる力の7,8割程度発揮すればできるようなことをやるだけでは、新しい力を身につけることはできません。さらに、子どもは「これなら自分にでもできそう!」、「何としてもできるようになりたい!」と思わない限り、自分からやろうとはしません。ましてや、痛いこと、つらいことからは逃げ出したくなるのが当たり前です。ところが、今年の取り組みの中でも、漕いでも進まない三輪車に悔し涙を流しながらも最後まで漕ぎきった3歳児の姿や、手に豆が出来、その豆が潰れても雲梯(うんてい)に取り組み続けた4歳児、同様に足にいくつも豆を作りながらもあきらめずに竹馬の練習に取り組んだ5歳児などなど、感心を通り越して、感動するほどの姿をたくさん見ることができました。改めて子どもは「自ら育つ力を持っているのだな」と感じました。

 よく、お家の方々から、「先生たちのご指導があったから・・・」と言って頂くこともありますが、そうではありません。子どもたちは、もともとそうした力の芽みたいなものを持っているのだと思います。その育つ力を信じて、それに応じた指導、環境づくりをしていくことが私たち保育士の役目であるように思います。


 それにしても、どの子もがんばりました。とくに、5歳児は竹馬、二本橋渡り、跳び箱、板のぼり。大人でも同じことをしようと思ったら、とても大変なことだと思います。それでも、誰一人として逃げ出すことなく、前向きに取り組み、ほとんどの子がすべて出来るようになったことは本当に感動的でした。

 さらに、取り組みのなかで、自分のことだけでなく、友達の様子もよく見ていて、励ましたり、アドバイスしたりする姿や、「もときさん!○○ちゃん、竹馬乗りきるごつならしたよ〜!!」と、わざわざ教えに来たりなど、友達ができるようになったことを自分のことのように一緒に喜んでいる姿もありました。とても大切にしたい気持ちだと思います。「思いやり」、「共感する力」も確実に育っているなとうれしく感じました。


 ただ、5歳児の跳び箱では、取り組み中に二人も手を怪我してしまい、非常に残念でした。二人とも、跳び箱だけでなく、他の竹馬や板のぼり等にも意欲的に挑戦し、波に乗っているときだっただけに、一番悔しい思いをしていると思います。そして何より、保育園最後の運動会に参加できなかった子どもたちやお家の方々に申し訳ない気持ちでいっぱいです。指導方法に直接的な問題があったとは思えませんが、長い目で見たときに小さい時からの積み重ねや経験はどうだったのか、自分の体を自分でうまくコントロールする力、とっさのときの身のこなし、自分の体を支える力、危険を予測する力、保育士の援助の仕方などなど、もう一度、園全体として保育内容を丁寧に見直していかなければと痛感しています。しかし、これで終わりにせず、二人が完治したら、もう一度みんなでミニ運動会を開催しようと考えています。その時にはまたご案内いたしますので、お忙しいとは思いますが、ぜひお出かけ頂ければ幸いです。


 運動会をご覧になったご意見、ご感想等、ぜひお聞かせ下さい。




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