だいすき!絵本

初瀬 恵美




『どこに いるか わかる?
アジア・太平洋の子どもたち
の楽しい一日』
訳:松岡 享子
出版社:こぐま社





 
 ご入園・ご進級おめでとうございます

 2年前の誕生会から始めた世界の国紹介。そこから、興味を持ち、国旗博士になったけんたくん。そのけんたくん向けに、私の娘が中学校の時に使っていた「地図帳」をプレゼントしました。以来、1年ほど経つのに、いまだに地図帳を大事にしてくれています。けんちゃんだけでなく、他の子達も「これ読んで」と持ってくるほど大活躍しています。けんちゃんがいなければ、保育室におかれることはなかった地図帳。本物志向の子ども達です。(笑)

 さて、そのけんちゃんがある日「一緒にこれ見よう!」と言って、持ってきたのが今月の絵本『どこに いるか わかる?』です。今まで、この絵本を目にしたことはあったのですが、手に取って、中を見たことはなかったのです。なぜかというと、あまり絵が好きではなかったからです。しかし、けんちゃんと絵本を見てみて、とてもおもしろい絵本でびっくりしました。サブタイトルは「アジア・太平洋の子どもたちの楽しい一日」です。世界20か国の子どもたちのそれぞれ、「楽しい一日」をテーマとして、描かれています。内容は『ウォーリーを探せ』や『ミッケ』のように、絵探しをするようになっています。ですから、より深く絵を見ることができて、文字にはないストーリーを、絵を見ながら楽しむことができるのもこの絵本の特徴です。

 実はこの絵本、アジア太平洋地域のユネスコ加盟国が、共同して作り上げた絵本です。それぞれの国をそれぞれの画家が絵を描きました。アジアの子どもたちが、共通の本を通して、お互いにもっと親しくなるようにー」そう願って始められたそうです。

 私の第一印象の「絵が好きではない」というのは、あまりなじみのないタッチの絵だったからかもしれません。しかし、このような背景も知るとますます、この絵本に興味がわき、親しみが持てるようになりました。

 絵本には、一冊一冊、いろいろな思いが込められています。その思いも学んだり、感じとりながら、今年も子どもたちと絵本を楽しんでいけたらいいなと思います。






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