だいすき!絵本

初瀬 恵美




『サンタクロースのすきな おはなし』
文:青木久子
絵:イワン・ガンチェフ
出版社:女子パウロ会


 12月に入り、街や保育室もクリスマス一色になってきました。クリスマスというと、みなさんはどんなイメージをお持ちですか?「サンタさん」「プレゼント」「パーティー」など、沢山の楽しいことが思い浮かぶと思います。

 今月の絵本は、子どもたちが大好きなサンタさんが主人公のお話です。

 ある日きつねが森を歩いていると、眠っているサンタさんを見つけました。そこで、あわてて、森の動物たちを呼びに行きました。12月の初めに現れた、サンタさん。あまりにも早くあらわれたので、森の動物たちは、ちゃんとプレゼントがもらえるのか心配になりました。するとサンタさんは「プレゼントはなくても、クリスマスはあるんだよ。」と言って、大好きなお話しを聞かせてくれました。それは、イエス様がお生まれになった時のお話しでした。そう、最初のクリスマスのできごとのお話しです。

 絵本の中に「おさなごは せいちょうして みんなの こころに へいわと あいを もたらして くださったんだよ。 わしは この おはなしが だいすきでね。そう わしのプレゼントも あいの しるし。 でも プレゼントがなくても あいは あるんだよ。」という文章があります。サンタさんが語る、この言葉・・・。とっても重みと深みとそして愛があるなと感じました。

 森の動物たちは「この おはなしが よくは わからなかったのですが、すきでした。なんだか いいきもちになって・・(略)・・」と絵本は続いていました。

 最初のクリスマスのお話は、保育園では「聖劇〜ようこそイエス様〜」として、毎年幼児クラスが取り組んでいるので、子ども達も年々分かるようになってきていると思います。しかし「プレゼントはなくても あいはあるんだよ」という言葉は子ども達には難しいお話しなのかもしれません。でもきっと、絵本を読んでもらう子どもたちも動物たちと同じように「よくは分からないけど、いい気持ち」になれる心地よさを持ってくれるのではないかなと思います。そして、この言葉が心に残ってくれたら嬉しいなと思い、今月はこの絵本を選びました。

 子どもたちの大好きなサンタさんが語る、最初のクリスマスのお話しの絵本。おうちで、一緒にご覧になられてみては、いかがですが?


 






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