だいすき!絵本

初瀬 恵美




再話:マーガレット・グリーブズ
絵:フランチェスカ・クレスピー
出版社:評論社




 寒い日が続きますね。今年度も残すところ2か月あまりとなりました。さて、2月と言えば、保育園の大きな行事として「劇場ごっこ」(生活発表会)があります。今年、幼児クラスは『魔笛』というお話に取り組むので、その絵本を今月は紹介したいと思います。

 皆さんは『魔笛』というタイトルを聞いたことがありますか?もしかしたら、音楽の授業で「聞いた!」という方がいらっしゃるかもしれません。これは、モーツァルト最後のオペラをもとに、絵本化されたものです。数種類あるのですが、子どもたちにもわかりやすい絵本を今回選びました。CDとセットで発売されていましたが、今は残念なことに絶版になり、今回中古のものを購入しました。私は「オペラ」というと、とても高尚な感じがして、今までまともに聞いたことがありませんでした。園長が「世界的にも有名なこのオペラをもとにしたお話しと音楽を子どもたちに出会わせたい」という思いから、この絵本やCDを購入し、はじめてオペラの世界にふれることになりました。
 
 ストーリーをご紹介しましょう。ある日タミーノ王子が狩りをしにいくと、大きなへびに出会い、力つきて倒れてしましました。王子が気が付いた時、蛇は死んでいて、近くには鳥の羽のついた洋服をきた男がいました。彼は「とりさしのパパゲーノ」。夜の女王に鳥を持っていき、その代わりに食べ物などをもらって生活しています。性格は陽気でお調子者です。パパゲーノは調子に乗って、へびをやっつけたと言ってしまいます。しかし、実際に蛇を退治したのは夜の女王に使える侍女たちでした。二人の前に夜の女王の侍女と夜の女王もあらわれて、「娘パミーナ姫が、邪悪な魔法使いザラストロに捕らえられているので、助けてほしい」と王子に頼みます。侍女たちは、タミーノ王子に魔法の笛を与え、パパゲーノには、魔法の鈴を与えて送り出しました。
 
 ザラストロの神殿に到着したタミーノ王子達は、ザラストロが邪悪な魔法使いではないことを知ります。実は、パミーナ姫の亡くなった父の友人でした。父の死後母は悪い女王になってしまったので、姫が不幸にならないよう、そこへ連れていったのでした。タミーノ王子は女王に呪いをかけられてしまっていたので、その呪いを解くための試練をうけることになりました。いくつかの試練を乗り越え、王子と王女は結ばれました。そして、試練をクリアーできなかったパパゲーノも、魔法の鈴のおかげで難を逃れ、パパゲーナと言う可愛い恋人を得ることができたというお話です。
 
 普段の絵本とは違い、少しストーリーが複雑で長いのですが、ファンタジーの世界を楽しみながら、ぜひ「音楽」にも親しんでほしいと思います。







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