だいすき!絵本

初瀬 恵美




『星ふる夜のシモン』
作:イブ・タルレ
訳:さとう ゆうこ
出版社:女子パウロ会


 早いもので、今年も残り一カ月となりましたね。保育園のきらきら(3・4・5歳児クラス)では、イエス様のお誕生の物語を劇にした「聖劇〜ようこそイエス様〜」に取り組んでいます。子どもたちは、お家の方や地域の方に、イエス様のお誕生の話を伝えようと頑張っています。17日のクリスマス会を楽しみにしていてくださいね。

 さて、今月の絵本は『星降る夜のシモン』です。聖劇と似たストーリーの絵本で、絵は、とてもソフトで温かいタッチの絵本です。

 主人公は羊飼いのシモン。このお話は、シモンが羊を見失い、困っているときにヨセフとマリアに出会うところから始まります。いなくなっていた羊はヨセフが見つけてくれていました。そして、シモンはその晩、なぜか「あのふたりに あいに いかなければ」という気がして馬小屋にかけつけます。ちょうどあかちゃんが生まれたときでした。ヨセフは、シモンに「この子がイエスだよ」と教えてくれました。マリアがイエスを抱く姿をみて、親子の周りは、なぜか美しく温かく輝き、シモンは何か大事なことが、起こっているような気がしました。さらに、外に出ると、いろいろな人が、そこらじゅうから向かってくるのでびっくりしました。みんな天使のお告げをきいたのです。「世界の救い主が、今夜馬小屋で、お生まれになり、かいば桶のなかでおやすみになっている。」「みんな会いにいきなさい」と。また、その週の終りには3人の賢い人たちも「王様がお生まれになった」というしるしの新しい星を見つけてイエス様のもとにやってきました。

 絵本の最後には「シモンは あの夜の うまごやでのことを ずっと おぼえていました。マリアと ヨセフと 小さな イエスのことを、 いつまでも」と、書かれています。


 保育園の聖劇では「シモン」という男の子は登場しません。しかし、この絵本を読んでいると、シモンは聖劇を見に来て下さるお客さんと重なる気がしました。劇を通して、イエス様のお誕生に立ち会う瞬間を見ていただきます。子どもたちの劇から、温かな気持ちが伝わればいいなと思いました。そして、みなさんで、イエス様のお誕生をお祝いすることができると嬉しいなと思いました。







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