だいすき!絵本

初瀬 恵美




『こうして ぼくは 海賊になった』
文:メリンダ・ロング
絵:デイビッド・シャノン
訳:小川 仁央
出版社:評論社



 いつの間にか秋らしくなりましたね。涼しくなったこの時期には、少し季節外れのようですが、おもしろい絵本にであったので紹介します。
 
 
 タイトルは『こうして ぼくは 海賊になった』という外国の絵本です。主人公は「ジェレミー・ジェイコブ」という男の子。ある日、海岸で砂の城づくりをしていていると、海賊船がやってきました。穴掘りが上手だったので、お宝を隠す穴掘りの仲間として海賊に誘われ、海賊になりました。
 
 海賊の暮らしは、豪快で楽しいことばかり。言葉は乱暴、食べ物は肉ばかり。野菜を食べなくてもいい。デッキみがき以外は、やりたくないことはやらない・・など、子どもにとっては、魅力的な世界。「ぼく、永久に海賊でいたい。」と思ったジェイコブ。でも、夜になると1人で眠れません。「ぼくを、ふとんにくるんで、お話を読んでくださいって。」船長にたのみましたが、船長は「海賊はくるまない」それに、海賊が読むのは地図ばかり・・・。なかなか寝つけなかったところに、嵐がやってきますが、だれも、ジェイコブのそばにはいてくれません。叫んだり、船を修理したりと走り回っています。このとき「やっぱりぼくは、海賊なんかに、なりたくなかったんだ。」と後悔します。さて、ジェイコブはどうなるのでしょうか?
 
 ワクワク、ドキドキの冒険ストーリーです。保育園に限らずなんですが、絶えず走り回っているような、元気な男の子って、周りにいませんか?この絵本の主人公のジェレミー・ジェイコブはそんな、どこにでもいそうな、元気な男の子をイメージさせてくれます。海賊暮らしは「言葉は乱暴」「好きなもの意外は食べなくて良い」「やりたくないことはやらなくてよい」など、元気さんには魅力的な海賊生活!!憧れるのはもちろん。ごっこ遊びにも発展しそうなほど、楽しい絵本です。でも、それだけでは終わらず、ちゃんとジェイコブの、甘えん坊な一面である「一人じゃ眠れない」「寝る前にお話を読んでほしい」など、子どもらしい内面も描かれています。いくら、元気な子もどこか甘えん坊な所ってありますよね。そこがあるからこそ、より深く、子どもたちが共感できる絵本になっているのだと思います。

 大きなピンチをどうやってきり抜けてゆくのか、そして、お宝はどうなるのかなど、楽しさ満載のストーリーです。







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