だいすき!絵本
初瀬 恵美
『ちきゅうのために
できる10のこと』
作:メラニー・ウォルシュ
訳:山本 和子
出版社:チャイルド本社
東日本大震災から、もうすぐ2ヶ月が経とうとしています。震災でなくなられた方のご冥福を心からお祈りいたします。
今回の震災を通して、私たちは自然と共に暮らしていること、自然の前では人間の力は無力であることを知りました。人間が便利なように作ってきたものも、万能ではないことを思い知らされました。例えば原子力発電所やそのエネルギーに依存している私たちの暮らしなど、抱える問題の大きさをどのように克服していくかという課題も突きつけられています。
さて、今月は、今だからこそ、地球のことを真剣に考えられる時期だと思い『ちきゅうのためにできる10のこと』という絵本を選びました。地震を止めることはできませんが、地球温暖化は、一人一人の心がけにより止めることができる可能性があります。温暖化を防ぐ生活を心がけることにより、私たち人間や地球や地球上で暮らす生き物も地球と共存できると思います。
この絵本は、タイトルの通り「地球のためにできる 10のこと」が書いてあります。例えば「へやを でるとき、わたし ぼく は・・・」「でんきを けします。」というように。そして、その理由もちゃんと書いてあります。「電気をこまめに けしたり、小さなワットに かえると、大切な エネルギーや電力のせつやくに、なるよ。」というように。
また、ちょっとした「しかけ絵本」になっていて、子どもたちの興味がでるように工夫されています。例えば、左上に、絵本の表紙を掲載しています。そこの大きな「10」の絵をご覧になってください。丸が電球になっています。気付かれましたか?実際は、電球の形に、表紙が切り取られていています。それは、表紙をめくったページの電球と一致します。
そして、絵本の最後は「わたし ぼくは ちきゅうが だいすきだから。」と結んであります。「エコ」とか、「温暖化」とかいう言葉が巷にあふれています。しかし、やっぱり基本は「地球が好きだから」という言葉に凝縮されるような気がします。とても、いい言葉だな、と思いました。そして、絵本を通して、地球のことを少しずつ考えられたらいいな・・・と思います。
最後に、私が暮らす九州は、東日本大震災後も、ほとんど変わりない生活が送れています。テレビや新聞などを通じて毎日送られてくる情報の中からでも、私たちにできることは、何かを考え「今ある生活が当たり前」でないことも考えながら生活していけたらと思います。
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