だいすき!絵本

初瀬 恵美




『ちか100かいだてのいえ』
作・絵:いわい としお
出版社:偕成社



 年が明けてから、事務室にも小さな絵本棚を置き始めました。ずっと前から、保育園の見学や、入園申し込みに来られた方向けに置きたいなと思っていたので、年末の大掃除のときに、二階にあった絵本棚を引越しさせたのです。すると、園児にも大好評!!小さなすみれ組さんから、年長さんまで「カシテ」と言って、よく利用してくれます。そして今、年長さんに大人気なのが『ちか100かいだてのいえ』。今月は、この絵本を紹介します。


 主人公はクウちゃんという女の子。ある日クウちゃんがお風呂に入っていると、「わたしのいえの ちか100かいで これからパーティーがあるの。こない?」と誘われました。教えられた場所へいってみても、入り口が見当たりません。困ってあたりを歩き回っていると、急に地面の下へ滑り落ちてしまいました。そしてついたところは、うさぎさんの家。なんと、ここは、地下100階建ての家。そして、10階ごとに、違う動物がすんでいるというのです。 
 絵本は、縦開き。そして、B1(地下1階)〜B100(地下100階)まで、通し番号がついています。10階ずつが一場面になっていて、うさぎ・あらいぐま・せみの幼虫などユニークな動物の家が描かれています。そして地下100階には・・・?

 数字・動物達のユニークな家、おもしろい結末、子どもたちの知的好奇心をくすぐりながらストーリー展開されるとてもおもしろい絵本です。

 
 先日、年長さんと一緒にこの絵本をみました。すると、たかあきくんが「ねえ、それぞれの役に分かれて、この本読んでいかない?」と提案してくれました。皆も賛成して、クウちゃん、ナレーター、うさぎ、あらいぐま・・など、分かれて読みました。つい先日まで『わらしべ王子』の劇に取り組んでいた子どもたちだったので、自然とそういう発想が生まれたのでしょうね。今までは、読んであげることが多かったり、「読みたい」という子どもの気持ちを尊重して、聞く側にまわったりすることばかりでしたが、こうして役割分担して読んでも、なかなか味があり、よかったです。また文で伝えるストーリーよりも、活字になっていない、絵が語るおもしろさも沢山あり、それを発見して、伝え合いながら、みんなでワイワイして読むのも楽しかったです。年長さんとこんな風に楽しく過ごす時間も残り少しになりました。できるだけ、時間をつくって残り一ヶ月楽しんでいきたいと思います。






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