だいすき！絵本

初瀬　恵美

　急に寒くなってきましたね。あまりの寒さに長袖を３枚着込んでいたのですが、それでも寒くて「寒い〜。」と私が言うと、みれいちゃんが、「寒いと〜？」と聞き返してきました。見ると、半そでを着ていて笑っています。「うん、寒い〜。」と答えて、みれいちゃんの腕を触ると、その温かいこと、「あったかいね〜。」と言って、手を少し温めてもらいました。よく体を動かし、新陳代謝が活発な子どもたちは、寒さを感じず、半そでで元気に過ごしています。すばらしい！！
　
　そんな体験をもとに、今月は『てのひらおんどけい』をご紹介したいと思います。
　
　この絵本は、主人公の男の子が、パパと手をつないだとき、「あったかい」と感じ、「ぼくの　ても、あったかい？」「あれ？ここは　つめたいよ。」「こっちは、あったかい。」と手のひらを温度計代わりにして、いろいろ触ってみるというお話です。日向と日陰、鉄やガラス、木と葉っぱなどなど・・・。

　身近なものも、気にしてみると、意外に温度差があることに気がつきます。子どもの好奇心をかきたてるおもしろい絵本だな、と思いました。

　この絵本は、ある一日の中でのお話ですが、季節によっても、温度が変わるものがありますよね。例えば、子どもたちがよく裸足で遊んでいる園庭も直射日光が照り続けている場所は凄く熱かったり、冬の寒い時期の雨上がりの日は、凄く冷たかったりします。また、その他子どもたちがよく触る水や遊具も季節や日向、日陰などの場所によっても、感じる温度が違います。そんな身近な不思議に興味を持ち、「調べる・比べる・整理する」というのも、楽しいのかなと思いました。
　
　2003年１０月の『ちいさなかがくのとも』で出版されたこの絵本、２００８年には特製版として出版されました。「ちいさな科学の芽」のきっかけになればと思い、今月はこの絵本を紹介させていただきました。