だいすき!絵本

初瀬 恵美



『ポーリーおはなのたねをまく』
文:シルヴィー・オーザリー・ルートン
絵:ミリアム・デルー
出版社:PHP研究所


 先日保育園で「花の日の集い」が行われました。

 「花の日の集い」とは、神さまの祝福の中で、子どもたちが、花のようにすくすくと育ち、花のように美しい心をもつことが出来ますように。そして、人々の心を和ませることが出来ますようにと祈り、感謝する日です。
 
 その集いの中で「さし芽」をした「あじさい」の成長が写真で紹介されました。子どもたちは「お花は、生きている」ということを改めて感じることができました。
 
 その次の日、子どもたちと「あさがお」「ひまわり」の種をまきました。種をまくときも「お花は生きている・・だから、お水をあげなんもんね。」と、自然と言葉がでてきました。昨日のことをしっかりと覚えているなと、感心しました。
 
 そんな子どもたちに、影響され、今月は『ポーリーおはなのたねをまく』という絵本を選びました。
 
 この絵本はベルギーから届き、日本では今年の3月に出版されたばかりです。
 
 主人公のポーリーは、旅行好きのおじいちゃんに、種をまくように頼まれます。おじいちゃんは、花が咲く頃ちょうど戻ってくるといいました。そこで、すぐにポーリーは種をまき、毎日毎日、友達と一緒に世話をしました。やっとつぼみがつき、もうすぐ花が咲くと思っていた矢先、花は無残に食い荒らされ、くきしか残っていない事件がおこりました。足あとは、ありません。さて、犯人は・・。そして、花は咲くのか・・。おじいちゃんは、ちゃんと戻ってきてくれるのか・・・。
 
 子どもたちとこの絵本を読んでいたときのこと、花が食べられてしまう事件の1ページ前に幼虫が葉っぱについている絵が描かれていました。(私が下読みしたときは全く気がつかなかったのですが)すると年長のたかあきくんが「あっ!虫がいる。とらなきゃ!(葉っぱがたべられちゃう)」と言ったのです。絵をよく見ていること、今までの経験から、虫は葉っぱを食べること、だから大切なお花についている虫はとらないといけないことを考え合わせ「とらなきゃ」と言ったのです。すごいですよね。結局犯人は別にいたのですが・・さすがお花好きのたかあきくん!と思いました。さらに、一番最後のページに描かれている蝶を見て「ぼくね、冬にも、ちょうさんが、みつを吸えるように、冬に咲く白い花を植えてたんだよ。寒いから、来なかったけどね。」といいました。お花を一生懸命育てたポーリーは、たかあきくんの経験とよく重なり合っていることがわかりました。だからこそ、絵本のすみずみに描かれている虫や自然にもよく目がいき届き、絵本の中の出来事が身近なこととして伝わっているのだろうなと思いました。また、たかあきくんはおうちでおじいちゃんに遊んでもらったり、木工を教えてもらったり、保育園の送迎をしてもらったりもしています。おじいちゃんのことが大好きで、「おじいちゃんが早く旅行から帰ってきてほしい」というポーリーの気持ちもよく分かるようでした。






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