だいすき!絵本

初瀬 恵美



『ねんね』
文:さえぐさひろこ
出版社:アリス館




『いいおかお』
文:さえぐさひろこ
出版社:アリス館


 保育園の周りのみかんや柿が色づき始め、秋の深まりを感じています。世間では、「読書の秋」「運動の秋」「食欲の秋」など言いますが、からたち保育園では、みかんやいちご農家の方々が多く、繁忙期真っ只中、休む時間、寝る時間さえもないくらい大変そうで、頭が下がる思いがします。

 今月は、忙しい合間にでも、ほんのひとときの安らぎが得られる癒し系の絵本『ねんね』を紹介します。
 この絵本は15種類の動物の寝顔の写真で構成されています。動物の寝顔って、どうしてこんなにかわいいんだろう?と思うくらい、本当にかわいくて、見ているだけで癒されます。
 
 リスは、小さな手と足を木の枝にかけて眠り、コアラは、木の枝にもたれかかり、だらんと寝ています。ワラビーは、おかあさんの袋の中で、ペンギンはお母さんのお腹の下に顔をつっこんで寝ています。野生の動物からは想像できないような、無防備な寝姿だからこそ、癒しや可愛さがあるのかなと思います。人間の赤ちゃんや子どもたちも安心して眠っている安らかな表情は、いいものですよね。その寝顔に通じるものがあるような気がします。


 続いてシリーズ本の『いいおかお』も紹介します。こちらは、いろいろな表情の動物たちが全15種類載っています。私が一番好きなのは「笑顔」の写真です。動物の中で笑うのは人間だけという話しを聞いたことがあります。しかし、この写真を見ると、「楽しくて、笑っている」としか思えないような写真があります。寝顔とは、違った癒しがありますよ。

 この2冊は、どちらも添えられている文章が短いのですが、味のある人間臭さがちょっぴりあります。このためか、よりいっそう動物達を身近に感じることができます。また、図鑑には見られない豊な表情も魅力です。

 絵本の最後には「あなたの大好きな写真をお貼りください」と写真を貼るスペースがあり、その下に「   ちゃんもねんね」「   ちゃんもいいおかお」とあります。このちょっとしたページがまたいいと思いませんか?プレゼントにも喜ばれる絵本だと思います。






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