だいすき!絵本

初瀬 恵美



『たべられるきのみ』
文:菅原久夫
絵:高森登志夫
出版社 :福音館書店


 先日、幼児クラスは栗ひろいにでかけました。広い栗林には、イガをつけた栗が沢山落ちていました。足でイガをふんで、栗をイガから出す経験は、私も、子どもたちのほとんども初めての経験だったので、とても楽しかったです!(ひばりさんには、少し難しかったようですが。)

 そして、一生懸命拾った栗は、各自おうちに持って帰りました。翌朝は、「茹でた栗を食べたよ!」「栗ご飯食べたよ!」と報告してくれたり、栗蒸しパンを手に持ってくる子や栗の渋皮煮のおすそ分けをいただいたりと、また栗で会話が弾みました。拾って楽しいばかりでなく、収穫したものが家族の人に喜ばれ、家庭の食卓を賑やかにしたりすることは、現代ではほとんどないので、とてもいい経験だったと思います。


 今月は実りの秋を迎えたことから『たべられるきのみ』の絵本を紹介したいと思います。

 この絵本には、あけび、くり、やまぶどうなど、食べられる木の実が17種類紹介されています。そして、絵本の最後には、日本地図が4つ描かれていて、どの辺りに分布いているかも描かれています。各ページには、それぞれに花の時期、実のなる時期、食べ頃がどんなときか、その食べ方まで載っています。見ていると、とてもおいしそうで、散歩にでかけて、その木の実を探したくなってきます。

 私が子どもだった頃は、自分の家や友達の家、近所の家、林や山などには、食べられる木の実が沢山ありました。外で遊んでいて、お腹が空くと採って食べていたものです。そんなことができたのも、昔は自然が豊かだったり、あえて屋敷内や畑の傍らに食べられる木の実を植えたりしていたからだと思います。
 
 今では自然が少なくなり、食べ物も豊富にあって、あえて屋敷内に実のなる木を植える必要が無くなったり、また、一戸建ての住宅でも木を植える土地が無かったりとさまざまな社会変化により、実のなる木が生活環境内で見られることが少なくなりました。ですが、逆に少なくなったからこそ、あえて、どこかにでかけて、探してみるのも楽しいかもしれません。気候がよくなるこの時期に、色とりどりに描かれている『たべられるきのみ』の絵本を見ながら、山や林にお出かけしてみてはいかがでしょうか。





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