だいすき!絵本
初瀬 恵美
『ずかん・じどうしゃ』
作:山本忠敬
出版社:福音館書店
8月に0歳児さんが1名入園し、午後乳児クラスに入ることが多くなりました。
今一番人気のある絵本が『ずかん・じどうしゃ』です。ある日この絵本にバスを見つけた1歳半のそうたくんが「だいち バス バイバイ」と連発しはじめたのです。何かの魔法にかかったみたいに。
すると、職員の一人が「この間、お兄ちゃんが、バスで福岡に行くのを見送ったそうですよ。」と教えてくれました。その時の記憶が蘇ったことが分かりました。
全部で23ページ。表紙をあわせると、70台近い自動車のカットがある中、バスのページだけがお気に入りです。ここをずっと開いたまま持ち歩いて、みんなに「だいち バス バイバイ」と伝えて歩きまわるのが、今も日課になっています。この3つの言葉からは「ぼくね、この間、お兄ちゃんの見送りにいったんだよ。その時、これとおんなじバスみたよ。」という思いがあふれ出しているようです。
あまりにも、大事に持って歩き、皆に伝えているので、周囲の子たちも、その絵本に凄く興味がわき、すきあらば、奪おうと試みますが、とられてなるものかとしっかり握っていたり、とられてしまうと、悲しさのあまり大声で泣くので、なかなかみんなの手元に届きませんでした。そうたくんの宝物のように大切にする絵本、皆も見たい絵本、ということで2冊新しく追加しました。(^^)
このように、体験と絵本がピッタリ重なった時、その絵本が宝物のように大切に感じる経験ができることって、いいなと思います。この絵本は、1977年に、初版が発行されました。ですから、のっている車をみると、とてもレトロで懐かしさを感じるようなものばかりの絵本です。しかし30年以上たった今も、子どもたちに人気があることってすごいですよね。もしかしたら、親子ニ代に渡り、ご覧になられているご家庭もあるのではないでしょうか。
自動車好きのお子さん、お父さんには、ぜひおすすめの絵本です。
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