だいすき!絵本
初瀬 恵美
『おでかけばいばい』
文:はせがわせつこ
絵:やぎゅうけんいちろう
出版社:福音館書店
ご入園 ご進級 おめでとうございます
新緑が美しい春がやってきました。新しい年度がスタートして、心が楽しくなるような絵本を今月は紹介したいと思います。
文は、長谷川摂子さん。よく知られている絵本として『めっきらもっきらどおんどん』や『きょだいなきょだいな』などがあります。子どもたちの心をつかむのが得意な方です。絵は『たまごのあかちゃん』や『おっぱいのひみつ』でおなじみの柳生弦一郎(やぎゅうげんいちろう)さんです。
このお二人がコンビを組んで、「福音館赤ちゃんの絵本〜おでかけばいばいのほん〜」の3冊組を出しています。その内の1冊がこの絵本です。この絵本は、いろいろな動物の親子が登場します。
まずは、「おでかけおでかけ・・」と動物のお父さんやお母さんがリュックを背負って登場します。見た目が派手でユニークな鳥や愛らしい顔の猫、大きな口のカエル、ごっつい顔のゴリラ、花柄のスカートがかわいい犬など・・。「おでかけおでかけ」の後には、それぞれの動物の足音がユニークに入っています。例えば鳥は「ピコタン ピコタン」などという足音。その擬音語が、子どもたちは大好きです。
そして、くるりと後ろを振り返ると、お父さんやお母さんのリュックの中には満面の笑みの子どもたちが入っていて、「ばいばーい」とかわいらしく手を振っています。絵本から楽しさがあふれ出してくる、赤ちゃん絵本です。よく見ると、リュックに入った子どもたちは、肌の色が違ったり、毛質が違ったりしています。赤ちゃん向けだからと言って、手抜きはしていない部分がいいなと思います。
「おでかけおでかけ・・・・」「いってらっしゃい」「ばいばーい」の繰り返しが楽しく、最後にはバスに乗って遠足に出発します。遠足シーズンにもピッタリの絵本です。ぜひ読んでみてください。
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