だいすき!絵本
初瀬 恵美
『おたすけねこさん』
絵と文:おの ちよ
出版社:至光社
ご入園 ご進級 おめでとうございます。
桜や菜の花、チューリップといった、春の花々が満開のいい季節となりましたね。園児達は、一つ大きくなったことをとても喜び、自分達より小さな子のお世話を、はりきってしてくれています。
今月は、そんなお世話好きな子どもたちのような、かわいいねこさんの絵本『おたすけねこさん』を紹介します。
「あらわれたのは とらねこ ねこのての ねこです おてつだいいたします」とはじまり、赤ちゃんをおんぶしながら、お掃除したり、洗濯物を干したり、お客様にお茶を出したり、お買い物に行ったり・・・と、次から次へとお手伝いをしてくれるお話です。
この絵本に初めて出会ったのは、娘が3歳の頃でした。保育園でも、家でも赤ちゃん人形をおんぶして、おままごとをするのが大好きな時期でした。そして、ちょうどその頃、近所で子猫を拾ってきて、飼い始めた時期でもありました。子猫の名前を「マロン」とつけ、ミルクをやったり、抱っこをしたり、おいかけっこをしたり、とても可愛がっていました。ですからこの絵本は、娘の大好きな一冊になりました。一日に何度も読み、「かわいいー。あ〜ぁ、マロンが、早く大きくなって、こんなねこさんになってくれたらなー。」と言っていたのを思い出します。
「マロン」は、残念ながら、1ヶ月ほどで、行方不明になり、大きく成長する姿をみることはできませんでしたが、今もこの絵本をみると娘と一緒に「マロン」を思い出します。
なんだか私の中では、淡く切ない思い出が残る絵本なのですが、春にピッタリのきれいで、やわらかなタッチの絵本です。ねこ好きの方や、お世話好きの子ども達に、お勧めの一冊です。
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