だいすき!絵本

初瀬 恵美




作:長野ヒデ子
絵:長谷川義史
出版社:佼成出版社

 先月に引き続き、今月もユーモアたっぷりのおもしろい絵本を紹介したいと思います。
 
 『おしりしりしり』(作:長野ヒデ子、絵:長谷川義史、佼成出版社)は、長野ヒデ子さんのうたあそび♪えほんシリーズの一つで、今年の8月の末に出版されたばかりです。絵は、先月紹介した絵本『いいから いいから』の長谷川義史さんです。
 
 この表紙の絵をご覧下さい。何とも明るく楽しい絵でしょ。おしりに可愛らしい顔があって、とてもインパクトがありますよね。思わず手を伸ばしたくなる絵本です。
 
 そして、読んでると自然に口ずさんでしまう、リズムある文の前半は、子ども達の大好きな「しりとり」になっています。(下の歌詞参照)まさに「うたあそび♪えほん」なんだなーと実感させられます。絵本の最後に楽譜もついていますが、「楽譜通りに歌って読んであげなきゃ!」というような、固っ苦しい絵本ではありません。自然体で充分OKだと思います。大切なことは、読んでる人も楽しむことだと思います。(幼児クラスぐらいになると、楽譜がついていると、「これ歌ってー」とおねだりしてくるのですが・・・)
 
 絵本を子ども達に読んであげていておもしろいな、と思ったことは、乳児クラスでは、見開きいっぱいに描かれた絵をみながら、私の言葉を真似して「おしり!」「りんご!」と単語を繰り返してくれるのに対して、幼児クラスでは「おしり しり しり り!」というと、「ちょっとまって・・・りんご!」と絵本の中でもしりとりを楽しんでいることです。でも、「ぱ」にくると、「ぱんつ?」「パイポ?」など「???」となり、大爆笑です。今の子どもで「パイプ」を知っている子は、あまりいないんですね。
 
 長野さんは、ご自身のお母さんについてこのように書かれています。「わたしの母は、ゆかいな母で、何でも歌にしては、楽しんで、口ずさんでくれました。今思えば、それは子育ての歌のようであったり、おまじないのようであったり、わらべ歌であったり。即興のでたらめ遊び歌だったのですね。それをきいて育ったわたしは、母となったとき、子ども達と歌って遊びました。今でも、そのワンフレーズが、耳に残っていて、口ずさむと、楽しくなります。」と。そして、この絵本は、「うれしさと楽しさのおすそわけ」と書かれています。
 
 お母さんの歌遊びを、ご自身のお子さんに伝承するだけでなく、絵本として出版して、多くの人たちへ「うれしさと楽しさのおすそわけ」をしてくださるなんて・・・素敵なお話ですよね。そんな素敵なおすそわけに、長谷川さんのインパクトがある楽しい絵がついて、小さな子から大きな子まで、大人気の絵本です。


おしり しり しり
作詞 長野ヒデ子 
 
 おしり しり しり おしりさん
 おしり しり しり しりとり すきで 
 おしり しり しり しりとり あそび 
 おしり しり しり 「り」!
 りんご んご んご 「ご」!
 ごりら りら りら 「ら」!
 らっぱ ぱっぱ ぱっぱ「ば」!
 ぱいぷ いぷ いぷ 「ぷ」!
 ぷっぷ おならの おとうさん
 「ん」でおしまい ん、ん、ん




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